2005-01-01から1年間の記事一覧

オンライン・ゲームの意外な効用

渡辺千賀さんのブログで、ゲームについてのエントリーに「親として割と一般的な」感想を書き込んだら、他の人からボコボコに反論されて大変だった。http://www.chikawatanabe.com/blog/2005/08/post_1.html私も、「はまる」感覚というのはわかる。世の中、「…

郵政解散とデジタル・ディバイドとネット啓蒙思想

締切仕事があるというのに、このところあまりに日本の政治の話が面白く、ブログを読み耽って、生産性が落ちて困っている。政治劇の中味そのものにも、いろいろ言いたいことはあるのだが、まずはこの状況に及ぼすネットの役割について、考えさせられたことが…

パラダイス的新鎖国時代到来(その5)- 北カリフォルニア風アジアン・フュージョンにおける寿司の地位

我が家の近くに、「食べ放題オール・アジアン・バフェ」ができたので、昨日亭主と一緒にお昼を食べに行ってみた。なんと、外まで長い列ができている。はいると、まずメキシコ人とアジア人の寿司職人が3人で握っている寿司のカウンター。普通の握りよりも、…

パラダイス的新鎖国時代到来(その4)- 産業編・携帯電話端末のケーススタディ

さて、パラダイス鎖国は、文化や意識の面だけではない。私の専門分野である携帯電話の業界では、「パラダイス鎖国」現象が近年著しい。1990年代半ば頃まで、すなわちアナログ(AMPS)時代には、アメリカでも日本製の携帯電話端末が活躍していた。私も最初に…

パラダイス的新鎖国時代到来(その3)- なお超えがたき言語の壁

私は、母校一橋大学の卒業生のうち、IT産業のプロが集まる勉強会、「IT経営研究会」の末席を汚させて頂いている。ほぼ年に一度、7月の定例会だけに出現する「七夕会員」のくせに、言いたいことばかり言っている失礼な会員で、いつも本当に申し訳なく思って…

パラダイス的新鎖国時代到来(その2) - 「ホテル・ルワンダ」vs.「亡国のイージス」

さて、今回の旅行中に「国」について考えさせられる映画を2本見ることができた。一つは、行きの飛行機の中でみた「ホテル・ルワンダ」。前から見たかった映画である。途上国の果てまで日本製品を売りに行っていた頃に経験した、ドロドロの途上国の現実を久…

パラダイス的新鎖国時代到来? - いいのかいけないのか?(その1)

また1ヶ月も更新をさぼっていたのは、毎年夏の日本での休暇のため。毎年夏に帰るごとに、「日本はどんどん住みやすくなっていくな・・」とぼんやり思っていたが、今年の夏は決定的に、「日本はもう住みやすくなりすぎて、日本だけで閉じた生活でいいと思う…

Converged Devices その1:iPodは携帯電話と融合するか

10年ほど前のことになるが、嘉門達夫というお笑い芸人が局地的にはやったのをご記憶だろうか?彼の替え歌シリーズの中で、「フニクリ、フニクラ」の節で、「ラテカセ、ラテカセ」と歌っているものがあった。「ラジオとカセットをくっつけたら当たったので、…

ブログの奇跡と「有力感」またはrelevancy

いわゆる「ブログをやりだし」てから、半年ほど経つ。当世はやりのブログの技術的な意味合いがわかってきたところだが、最近ブログである「奇跡」を体験し、その「文化的」な意味合いについても、改めて考えた。ブログの技術的な意味とは、簡単であること(…

結婚の規制緩和と欧米それぞれの結婚リスクヘッジ

昨日の日経新聞の片隅に、「大和総研が少子化対策には結婚の規制緩和が有効」なる記事が載っていたので、思わず賛成論を書いてしまう。なるほど、うまい言い方をしたものだ。ずっと前から私の心の中にくすぶっていたモノがうまくこれで表現される。なるほど…

出た!カルロス・スリム!

もう2日ほど前の話ではあるが(しばらく締切仕事で忙しくてブログを書けなかった)、MCIをめぐるベライゾンとクウェストの綱引きに、ついにカルロス・スリム氏が登場した。喜んでいる場合ではないのだが、予言が的中したみたいで、思わず笑ってしまった。カ…

突破する力 - スティーブ・ジョブスとホリエモン

なんだかんだ言って、シリコンバレー最大の経営者スターといえば、ジョブスじゃないだろうか。アップルを立ち上げただけでもすごいことなのに、追い出されてからピクサーで映画界の勢力図を一気に書き換え、さらに古巣アップルに戻ってiPod現象を巻き起こし…

アメリカを捨てた日本メーカー、アメリカに賭けた韓国メーカー

今週、アメリカ最大の無線業界展示会、CTIAがニューオーリンズで開催された。過去7年ほど、毎年来ているが、一時の沈滞ムードから脱して、昨年あたりからまた入場者の数やベンダーのパーティの質が上向きになっていると感じられる。もう毎年のことなので、…

孫正義とマイケル・アームストロング-「素人の発想」

しばらく日本のニュースをきちんと読んでいるヒマがなかったので、出張の飛行機の中で孫さんの800MHz騒動のコトの次第をようやく読むことができ、納得したというお恥ずかしい話。2GHzに比べて800MHzのほうが電波が届きやすいということを聞いて孫さんが宗旨…

KAGOY時代にあった児童書を!

子供関連産業が長期低落傾向にあるのは、少子化の日本だけではないらしい。アメリカでも、老舗の玩具チェーンFAOシュワルツは倒産、おなじみのトイザラスも、本業の玩具販売部門を売却しようとしており、玩具販売業界は危機にある。ウォールマートなどの量販…

カルロス・スリム (Carlos Slim)の野望

Carlos Slim Helu。メキシコの億万長者で、旧国営電話会社Telmexの支配的株主。携帯電話持ち株会社であるAmerica Movilを通じて、中南米各国の携帯電話会社の株も持つ、ラテンアメリカの「通信王」である。この中南米通信王が、アメリカにもじわじわ勢力を伸…

よい時代

日本のマスコミは、「現代の日本人は大切なものを失ってしまった」といった論調が好きだ。それも、失った理由として、インターネットや携帯電話がやり玉にあがることが多い。それも全く的はずれでもないのだろうが、私の感覚とは違う。私は、このふたつのお…

Serving the Long Tail

Long Tailという用語は、業界ではすっかり流行語になっているらしく、先週あったGoogleのアナリスト・ミーティングのプレゼンテーションでは、同社自身が"Serving the Long Tail"と題したスライドに、右下がりの幾何曲線グラフを掲げている。ところで、今日…

ベライゾン-MCI : 既得権益へのエクソダス

予想どおり、ベライゾンがMCIを買収した。SBCがAT&Tを買収したのだから、対抗上当然。マイケル・カペラスはうまく敗戦処理をした。アメリカの通信業界は、2000年以降、新しいステージにはいっている。かつての「長距離・ローカル・無線」の棲み分けから、無…

 テニスは「Long Tail型」スポーツ

「Long Tail」とは、従来の大量生産・大量販売の「マス型」経済では成り立たなかったような、ニッチなモノやサービスが、ネット・ビジネスでは十分に商売として成立する、という現象。店舗が必要ないため在庫コストが安くすみ、広い地域を対象とすることで薄…

テレビ映像の「パンドラの箱」

例えば、何かのきっかけである日本の俳優が気になったとする。ネットのない時代だったら、アメリカのテレビにも雑誌にも出ないし、日本語テレビにもほとんど出てこないので、情報の得ようがなく、そのままで終わるだろう。しかし、今だったら、ちょっとネッ…

AT&Tの落日

米国テレコム業界の表と裏 アメリカの通信事業者(キャリア)の世界には、表通りと裏通りがある。表通りは、日本でいえばNTTやKDDI、アメリカならばかつてのAT&Tや現在のSBCとベライゾンのような「ちゃんとした」キャリア。大企業や一般消費者にサービスを提…