オンライン・ゲームの意外な効用

渡辺千賀さんのブログで、ゲームについてのエントリーに「親として割と一般的な」感想を書き込んだら、他の人からボコボコに反論されて大変だった。

http://www.chikawatanabe.com/blog/2005/08/post_1.html

私も、「はまる」感覚というのはわかる。世の中、「はまる」タイプの人とそうでない人がいるが、私は「はまる」タイプ。面白い本を読み出したら、ほっとけば寝食を忘れて何十時間でも没頭する。テニスに熱中すると、ふと「このコースに打て」という線が、ハッキリと見えるときがある。だからゲームにはまる人の感覚というのは、ある程度はわかる。そして、ウチの息子も、同じタイプなのである。

しかし、大人と違って、子供は限度がない。自分で制御する力がまだ弱い。だから、勉強もやらずにゲームに没入するのは困るし、またそうさせる中毒性がゲームにはある。それに例えば、テニスだったら、どんなにはまっても2時間もやっていれば疲れて体がギブアップする。ゲームや読書は、そういう「自動タイムアウト機能」がないからいつまでもやってしまうのだ。

さて、オンライン・ゲームというと、普通のゲームよりさらに中毒性が高く、ますます困ったものの代表のように思われている。韓国で、50時間オンライン・ゲームをやり続けて死んだ人がいた。しかし、我が家の場合、ちょっと様子が違う。

「Toon Town」という、ディズニーのオンライン・ゲームである。月額料金制で、10ドル近く払っている。高くて頭にくるが、息子の親友(この子のオヤジも、地元有名某社でソフトを書いているオタク・オヤジで、ゲームには寛容・・)がはいっているのでやむなく加入した。

一人でも参加できるのだが、彼はその親友と時間を示し合わせ、電話をかけながら一緒にゲームをやる。ヘッドホンで電話で「そこの角を曲がって・・いや、ちがうちがう、もっと右!」とかなんとか騒ぎながら、両手でパソコンを操作してゲームをする。実に楽しそうである。

アメリカで子供を持つ人の頭痛のタネが、「送り迎え」である。どこに行くにも、車での送り迎えをしなければならない。この友達も、近くに住んでいるのだが、それでも子供が一人で歩いて行けるような道路ではない。だから、送り迎えなしで、こうして友達と一緒に遊べるのはありがたい。

しかし、それだけではない。これをやっていると、「自動タイムアウト」がかかるのだ。友達のほうが「そろそろ夕食だから、行かないと・・」と言えば終わり。こちらでも「そろそろ終わりにしなさい」と言うと、何故か一人でやっているときより、素直に終わりにする。友だちとの会話という「social element」がはいっていると、一人でやっているときのハマリ方とちょっと違うようだ。どういう訳か。

まぁ、特別な例かもしれないが、意外な効用があると感じている。