ビジョン・セラピー必要との診断が出た

今日、息子の視覚発達障害診断の検査結果が出た。思った通り、というか望んでいたとおり、視覚の発達に障害があり、ビジョン・セラピーが必要との結果だった。やった!これで、きっとかなり治る!

今日は私だけが医者のところへ行き、どのような検査をして、それぞれにどのような結果が出たかの詳細を教えてもらった。

前回の一次スクリーニングでは、目で文字を横や縦に追っていく力が足りないということや、焦点の深度を変える力が弱いなどの診断があった。今回は、もっと個別に、どこの力がどう弱いかを分析するため、種々のテストをした。

その結果、以下の点が特に弱いということだった。

  • 文字を追って横・縦に追っていく力(平均値の人も含め、全体の中で下3〜5%にはいる、という低さ。以下、%で記すのはこれと同じ意味。)
  • 左右の認識。字を左右ひっくり返す傾向(10%以下)
  • 目と耳のコーディネーション(目で見て口で言うのはよいが、耳で聞いて口で言う、耳で聞いて字で書く、字を見て字で書き直す、の3つの分野が25%以下)

目で見たものを記憶して再現する「ビジュアル・メモリー」や、空間の中で見たものを正しく位置づける「ビジュアル・スペイシャル」などはやや弱いが、全体として見たものを正しく認識したり、よりわけて探し出したりするのは、むしろきわめて強いというのは意外だった。また、文章を塊として捕らえて意味をとる力は意外に強い、というのも意外だった。これが彼はできないと思っていたのに。

さらに、(少なくともこのクリニックの見解による)ディスレクシアの傾向テストもあった。ここではディスレクシアそのものの診断はしないが、目の問題が全くない場合には、ディスレクシアを疑うべきかどうか、を見るための簡単な傾向テストも行うそうだ。こちらは、文字をdecode・encodeする力がやや弱い、という結果だったが、ディスレクシアというより、こちらはreading specialistに相談するように、とアドバイスされた。

ということで、上記3つの視覚分野については、セラピーを行うように勧められた。でも・・・一週間に一度、20回で3000ドル!それも、最初にまとめて払えって!ひょえー!!覚悟はしてたけど・・・保険もきかないし、大変だ!

視覚発達障害で、読み書き困難な子供はたくさんいるらしいが、こういう状況では、貧しい家庭の子は、治るものも治らないで、そのまま学校で落ちこぼれ、非行に走ったりするんだろうな・・・

さて、来週から始まるセラピーがどんなものかまだわからないが、物理的に目を動かす筋肉を鍛えるものと、目で見たものを処理する脳の部分を活性化するようなものとがあるらしい。前者はなんとなく想像がつくが、後者はどんなものになるのだろう。例えば、日本で流行りの「百ます計算」は、繰り返し同じ計算をすることで脳の一部(前頭葉だったかな?)を活性化するというふれこみだが、イメージとしてはそんなものだろう。どんなふうに進んでいくか、ここでご報告していこうと思っている。

なお、視覚発達障害やビジョンセラピーに関するアメリカの情報は、以下のウェブサイトにあるので、ご興味のあるかたは参照してほしい。

Parents Active for Vision Education (P.A.V.E.) – The Critical Link Between Vision and Learning(PAVE: Parents Active for Vision Education)