フェースブックはなぜ別格なのか
フェースブックのIPO騒ぎで、また日本のメディアでFBの名前をよく目にするようになった。このところ仕事の修羅場続きでちゃんと読んでいないのだが、見出しだけを見ると相変わらずフェースブックとかソーシャルネットワークとかを、「友達とつながるお遊び」としてしか見ないお年寄りが多いようで、ちょっと気になっている。
マイスペースやMixiとFBがどう違うのかについては、いろんな点があるのだけれど、シリコンバレーにおいてFBがグーグルと並ぶ「リーダー格」となりつつあるのは、「商売」周辺の部分だけじゃなくて、根っこの部分にある技術力のおかげだと私は思っている。それも、ちょっとした軽いベンチャーがみんなiPhoneとかグーグルとかのプラットフォームの上に乗っかって出てくるのに対し、FBはグーグル系と違う、ちゃんとした一つの技術体系を最初から作っていて、「ビッグデータ」という今流行りの潮流の源流の一つになってる、というところが、すごいと思うわけだ。
このあたりは、私が昨年10月に書いたこの記事を読んで欲しい。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20111007/223074/?P=1
ネット周辺で4大プレイヤーといえば、グーグル、FB、アップル、アマゾンなわけだけど、最初の二つと後の二つが共通点が多い。グーグル・FB組の共通点は「ビッグデータ」を原動力にしていることであり、まただからこそ「オープンなウェブ」の思想に深くコミットしていて、だから先日の海賊版ソフトウェア対策法案「SOPA」に対して反対の旗頭になったりするわけだ。アップルもアマゾンもSOPAの件では全く表面に出てこない。彼らはハリウッドを敵に回せないからね。(なお、SOPAについては月曜日にまた日経ビジネスオンラインの記事が出るのでそちらを読んで欲しい。)
というわけで、フェースブックはただのお遊びじゃないのだ。だから、インフラになれるのだ。そのコンセプトが、シリコンバレーの本来的な思想と結びついている。まぁこんな話、日本のお年寄りにわからないのは仕方ないのだけど。