聴覚セラピー開始、「マイアヒ」で果たして学習障害が治るか!?

先日書いたように、我が家の次男坊Tは、「中枢性聴覚処理障害」の一種という問題があり、学校で問題行動を起こしたり、読むことがうまくできない。特に問題の中心と思われる、「ハイパーアキューシズ」に対するセラピーを今週から来週にかけて行っている。

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一日2回、朝と午後に30分ずつ、ドクターのオフィスで、特別に処方した音楽を聴く。私はまだ実は聞かせてもらっていないのだが、息子に言わせると、曲はなんと、日本でも少し前にはやった「恋のマイアヒ」なんだそうだ。(笑)確かに、英語じゃないので意味不明の記号的な音楽になるし、高いピッチの音などが混ざっているのでいいのかも。これを、何度も繰り返し聴く。

写真の機械は、この音楽を処理するためのもの。音源は、ときどき音が急に大きくなったり小さくなったりするように録音されている。ハイパーアキューシズは、特定の周波数の音に異常に敏感、という問題なので、事前のテストで洗い出された、「問題」の周波数帯だけを消して聴かせる。並んでいるボタンの上に赤いランプがついているのが、消してある周波数帯を示している。彼の場合、2つの周波数帯が消されているのがわかる。

最終的な目的は、前回書いたように、必要のない音をフィルターする耳と脳の機能を鍛えること。一番問題なのは、苦手な音を受容する部分だけがシャットダウンするだけでなく、他の音の受容部分まで全体的にシャットダウンしてしまうことで、そのために「先生の言っていることを無視する」「何も聞かずボーっとしている」状態になってしまうことだ。それで、最初は苦手な周波数を消して「シャットダウン」する必要のない状態にし、そのかわり音を大きくしたり小さくしたりして、違う種類の音を処理する必要を設け、種々の音が続けてはいってきても「起きている」状態を長く持続できるように訓練する、ということだそうだ。次の段階では、また違うことをやるらしい。

セラピーの間は、本を読んだり字を書いたりするような作業はできない。パズルをしたり、字のない絵本を見たり、車の玩具やぬいぐるみなど、手を使う遊びをしながら「マイアヒ」を聴いている。最初の回だけは退屈して最後のほうは暴れたが、2度目からはけっこう楽しそうに、静かに遊んでいる。本人いわく、特に疲れたりすることもないそうで、「次は夕方にまた来るね」と楽しそうにドクターに言っている。

なんせ、同時進行で書いているので、本当に効果があるのかどうかはわからない。さて、ハッピーエンドになりますかどうか、乞うご期待。

全く余談だが、この写真を見て、その昔のオウム真理教の「ヘッドギア」を思い出してしまった。あれは、繰り返し同じことを聞かせることで洗脳するという話だったように記憶しているが、「耳」と「脳」が直結していることを利用しているワケで、なかなか興味深い。

<追記>前回のエントリーに、hengsuさんから「自閉症で、一時効果があったがその後消えた」というコメントがあり、このことをドクターに聞いてみた。医学的な因果関係という意味では立証されていないけれど、彼女の15年以上にわたる経験で、効果が消える例はきわめて少なく、消える場合というのは、「自閉症」のケースと、「他の要因」(事故、アレルギー、他の劇症の病気など)のケース、なのだそうだ。自閉症では、脳の問題が「聴覚」だけでなく種々複合しているために、一筋縄では行かない。また、最初のセラピーでよくなったが、その後「他の子はもっとよくなっている」とか「もう少しよくなるはず」と親が過剰な期待をもち、そのために2度目のセラピーにやってくる、というケースもある。2度目にやっても、最初ほどの効果はないそうだ。

<追記その2>くっそぉー、息子にダマされた。「マイアヒ」じゃないじゃないか!今日聞かせてもらったら、ジャズでした。(ちゃんちゃん)