錦織残念、ロディックに敗れる - SAP Open Tennis

この前の日曜日に、ATPツアーで優勝したばかりの錦織圭が、サンノゼのSAP Openに登場、今夜は世界ランキング6位、アメリカ選手の中ではトップのアンディ・ロディックと対戦した。

一言でいうと、錦織くん、お疲れの様子。

試合開始直後、ロディックの得意の速いサーブを、思いっきりひっぱたいて足元に決めるという荒業を2本取って、観客の度肝を抜いた勢いがなかなか持続しない。足が速いし、どこからでもしっかり足を固めて、深い返球ができるので、最初のうちは錦織が押しぎみ、お膳立てまではできるのだが、決め球がギリギリでラインを外れたり、ネットにかけたりして、なかなか決まらない。

錦織の試合は、日曜日のデルレイの試合をテレビで半分と、今日の試合を生で見ただけだが、それでも彼の試合は面白い。球の方向を切り替えるのが上手いので、どこに返ってくるかわからない。コーナー深い足の長い球で相手をコートの外に追い出したところで反対のコーナーに切り返したり、サイドラインギリギリのアングルショットでセットアップして、浮いた返球を落ちてくる前に高い位置から叩き落すとか、いくつか得意技があるようだ。

日曜日のジェームズ・ブレークとの試合では、こういうのがバンバン決まっていたのだが、今日はそういうわけで、決め球が決まらない。

それに、ファーストサーブがはいらなすぎ。

ロディックは、最初から気合はいっていて、途中では「口三味線」攻撃まで動員。サーブも今日はよく決まっていたし、錦織の揺さぶりに対してディフェンスは堅かった。

途中から、錦織は見るからに疲れたようなボディ・ランゲージになってきて、切りかえし球のミスが、それまではギリギリだったのがだんだん大きくアウトになるようになった。スコアは2-6, 4-6で2セット目のほうが競っているようだが、内容は1セット目のほうが面白かったかな。

でも、無理はない。普段、1回戦とかですぐ負けていたのが、先週いきなりずっと勝ち進み、信じられない優勝と、その後のいきなり上昇した注目度からくるストレス、フロリダからはるか飛行機に乗ってサンノゼまできて時差3時間、休養も短く、周りの期待もそれまでとは比較にならない。

それにしても・・・サンノゼのHPパビリオンでは、アメリカ人だしトップ選手だし、ロディックのほうが断然応援が多いだろうと予測していたら、むしろ錦織の応援のほうが多いぐらいで、期待の高さが伺えた。サンノゼの試合は、見に来る人が、自分でもテニスをするなどの知識度の高いファンが多いといわれており、時々アメリカで見られる「アメリカ人以外はまったく無視」ということはなく、他国の選手でも公平に応援したり注目したりしてくれる。周囲のアメリカ人観客も、大騒ぎで応援している私に、「彼は将来有望だね」「面白い試合だった」と口々に話しかけてくれた。

錦織くん、これから、体力をつけて経験を積んで、頑張って欲しい。