慶應の「プライバシー問題」シンポジウムで話します

日本時間で今週金曜日、10月19日の夕方から、慶應日吉にて「プライバシー問題」についてのシンポジウムにスカイプ登壇いたします。

慶應大学シンポジウムのご案内

なお、Ustreamでのライブ中継もやりますので、出席できない方もぜひご利用ください。URLはのちほどお知らせします。

ネット上のプライバシー問題というと、「けしからん」という論調ばかりがマスコミで踊り、またアメリカに対する欧州独特の嫌がらせから発する「法律闘争」の尻馬に乗る発言が正義のように語られますが、「個人情報を提供することで、一般ユーザーはどういう利得を得ているのか?」「ネット企業はなぜ、悪評を覚悟で個人情報を活用するのか?」「こうした情報を活用することでどのようなイノベーションが促進されるのか?」といった視点からの言論が欠落しています。また、「ネット企業」ばかりが悪者にされますが、では伝統的マスコミのプライバシー侵害はなぜ問題にならないのか、政府による人権侵害という危険性は考えないのか、といった角度の話もあります。

物事はなんでも、プラスとマイナスがあるので、少しでもマイナスがあれば禁止、ではなく、プラスとマイナスの両方をバランスして、プラスが多くなるように仕組みを設定しましょう、というのが世間では普通の話です。副作用がゼロの薬はないし、食品添加物が危険だといって排除したら腐りやすくなってかえって食中毒、みたいなことにもなります。

ですので、私としては「では、ネットにおいて個人情報を扱うことで、どのようなプラスがあるのか」を中心に、「バランス点をどこに持っていくのか」という話をする予定です。法律のテクニカルな部分は私にはわからないので、頭の体操と、「先進国における産業の将来」にもかかわる、大きな話が中心となります。

下記、日経ビジネスオンライン記事もご参考に。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120327/230277/