オールドガール・ネットワークの誕生

ニューヨーク時代の日本人女友達の一人である塩谷陽子から、4/20付け朝日新聞朝刊の中の綴じ込み雑誌「GLOBE」にコラムが掲載されたとの連絡をもらった。アート関係の仕事をしている人で、前から本も出しているし雑誌にも書いている。相変わらずの活躍ぶりで、嬉しい限り。

ニューヨーク―芸術家と共存する街 (丸善ライブラリー)

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そういえば、前にこのブログでも紹介した、大和證券の河口真理子も、最近の勝間和代の本に登場しているのを本の広告で知った。慶応DMCの岩渕潤子は、1月に「パブリック・ドメイン」に関するシンポジウムを主催して話題になったし、地元仲間の渡辺千賀も相変わらず元気。メディアで取り上げられはしないけれど、公務員、金融機関、弁護士やコンサルタントなどの専門職で、今も活躍している同年代(プラスマイナス数年の誤差含む)の昔からの女友達が多くいる。

勝間和代のお金の学校―サブプライムに負けない金融リテラシー

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美術館で愛を語る (PHP新書)

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ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない) (朝日新書)

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ネットのおかげもあり、こうした友人達と久しぶりに連絡を再開できるチャンスが増え、お互いに仕事を頼んだり頼まれたり、仕事に関する情報をあげたりもらったり、といった「ビジネス面でのつながり」が徐々に最近増えてきている。

オールドボーイ・ネットワーク」という言い方があり、学校の同窓生を中心とした人脈を使い、会社や業界の枠を超えたインフォーマルな人的おつきあいで「ビジネス」をする文化というのは昔からある。これはずっと長いこと、本当に「ボーイ」に限られたネットワークで、女性にはなかなか参加できない社会だった。「閉鎖的な特権階級」だとかいい始めたらキリがないが、同郷人だと急に親近感を感じたりするのと同じで、人情としてある程度仕方ない。日本でも、アメリカでもこれは同じことだ。

ようやく女性の間でも、ある程度以上の数がまとまってきたおかげで、「オールドガール・ネットワーク」ができてきたように感じる。女性の場合トクだと思うのは、まだ「女性」というグループの数が少ないため、特に同窓だとか何かのフォーマルなつながりがなくても、プロフェッショナルに仕事をしている(+もちろん、個人として気が合うかどうかという要素もあるが)という切り口だけで、仲良くなりやすいことだ。おかげで、私の専門とは違う分野での話もいろいろ聞けて、世界が広がる。日本人の友人だけでなく、アメリカ人との間でも、女性のプロフェッショナル同士はお互いの事情を理解しやすいために信頼関係を作りやすく、結束が固い傾向がある。

私の年代の女性で、プロフェッショナル・レベルで仕事をしようとすると、大きな企業では難しかった。友人達を見回してみると、「試験」(公務員や資格)、「外資・国際」、「メディア」(記事や本を出す、ブログで人気を得る)のどれか(または組み合わせ)を武器として成功しているケースが多い。だから、私のオールドガール・ネットワークも、組織の長ではなく、一匹狼的な「プロ」が多いというように偏っているが、それでも孤軍奮闘していた上の世代の先輩達よりも、だいぶ恵まれている。

こうして、日本だけでなく、世界に薄く広く散らばった友人同士が、実際に集まってお酒を飲んだりゴルフをしたりしなくても、「オールドガール・ネットワーク」を形成・維持できるのも、ネットのおかげ。つくづく、いい時代に生まれたもんだと感謝している。あとに続く後輩の女性プロフェッショナルの皆様は、これを足がかりにして、もっと多くの分野で広く活躍してほしいと思う。