strikes back 2 「新型でわのかみ」についての吉川氏の証言

昨日「でわのかみ」の話を書いたのだが、今日はシリコンバレー在住で筋金入り日本人アントレプレナー、吉川欣也さんのインタビュー記事がIT Proに出ていて、同じ流れで「全く同意!」と思ったのでご紹介しておく。

携帯電話産業がシリコンバレーを無視するのは自殺行為 | 日経 xTECH(クロステック)

携帯産業は、「新型でわのかみ症候群」が最も猛威を振るった分野だろう。というか、私がたまたまよく知っているだけかもしれないが、一時の日本の携帯産業関係者の「アメリカのキャリアは馬鹿だ」「アメリカのユーザーは遅れている」という見下した感覚、それに続く「アメリカ/シリコンバレーを軽視する風潮」はすごかった。そんな中で、私などは「(旧型)でわのかみ」と思われていたに違いないが、私から日本の関係者は「新型でわのかみ」になっていただけと見えた。

最近、少しはよくなっていると思っているのだが、最近一緒に食事しながら某業界の内部の事情に詳しい方と話していたら「いやー、まだまだ。ぜんぜんだめ。聞く耳持たない人たちに、何を言ってもだめ。」と一言で切り捨てられてしまった。吉川さんも、「日本の携帯関係者がシリコンバレーに来ない」と感じておられる。まだ、「新型でわのかみ」が続いているようだ。

確かに、シリコンバレーは、歴史的には必ずしも携帯業界においては中心地ではなかった。でも、最近は吉川さんがおっしゃるように、急激に変わってきている。その中で、米国はもちろん、欧州や韓国などのキャリア・メーカーはいずれも、シリコンバレーで根を下ろして、ここの動きになんとかついていこうと試行錯誤している様子が伺える。しかし相変わらず、日本人はそういった業界イベントでとんと見かけない。絶望的に、動きが遅い。そりゃ、ドコモもかつてアメリカのキャリアに投資して失敗したりなど、コトはそう簡単ではないが、せめて何がどうなっているか、理解しようとする人ぐらいはいないのか。

アメリカにはメディアや一般人の間で「ジャパン・ナッシング」といわれる一方、携帯関係者でしかるべき人たちはちゃんと日本のことを見ている。スプリントなどは以前から特に熱心で、必ずしも日本に追随して成功しているばかりではないが、何事も試行錯誤。一社がだめでも、他のどこかがその屍を乗り越えて進む。

映像を中心としたウェブ関連サービスの人たちも、いちはやくアメリカの新サービスに飛びつく日本の先端ユーザーのことをきっちりと見ている。

再び言おう。庶民というか一般ユーザーはパラ鎖でも仕方ない。でも、企業の経営者や、この業界で物事をなそうと思っている人は、たとえ最終的に日本の市場だけを相手にすることになったとしても、最初から窓を閉じたままではいけない。

それと、「アメリカは」とか「日本は」とか、メディアの言い草のごとく、塊でおおざっぱにしかモノを見ないのではいけない。メディアやネットで情報がいくらでもあると思うだろうが、本質の部分は、やはり「現場」でしかわからない。むしろ、うっかりするとなんでも情報が外に出るからこそ、「本質」「本音」の部分は、信用できる「人」相手に限定的にしか流れないようになってきたと思う。だからこそ、単にその場にいるだけでなく、自分が相手から信用されるようにならなければ、コトの本質はわからない。吉川さんのような人は、この地のこの業界で、信用されリスペクトされる人だからこそ、わかるのだ。

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