strikes back 1 新型でわのかみ症候群

パラダイス鎖国」の本はだいぶ前に出たし、ブログで書いたのはもう4年近く前なのだが、最近「パラ鎖」に関連して講義してくれといった機会が時々あり、そのたびに「あ、これも言えばよかった・・」などと後から思いついたりする。それで、思いついた話を思いついたときに、パラパラと記していくことにする。

私のような、外国をゴロゴロしている人間が「アメリカでわ、こうなんだよ・・・」と言うと(=日本はダメだね)という意味を暗に指しているとして、「でわのかみ」(ご存知ない若い方のために・・「出羽守」です)と言って嫌われるという現象が昔からあった。

最近は、「リバース型でわのかみ」によく出くわす。わたくしなどが「アメリカでは、こうなんだよ・・・」と言うと、「いや、日本でわ、そういうのはダメだね(=「アメリカみたいな後進国とは違うんだよ、日本はSUGEEEから」の場合もあるし、「日本でわ、旧態依然の人たちが多いからそううまくは行かない、だから今の日本ではぶちぶちぶち・・・」という場合もある)。」という返事がよーく返ってくる。

ある意味で、同じ心理の裏返しかもしれない。新型でわのかみ症候群は、「オトナ」世代にも「ワカモノ」世代にも、幅広く分布している。まー、確かに一理あるのだけれど、それを言ったら我々のような旧型でわのかみだって、多くの場合一理あったんだぞ。私としては、この新型でわのかみの方々と話をしていると疲れてくる。というか、その枕詞のあとに、何か解決方法とか改善方法とか自分なりの対策とかが出てくるならいいけど、そこで思考停止する人々との話に疲れるのだ。

日本ではもう終わったらしい「篤姫」とかの幕末ドラマなどを見ていると、「わが神国が夷てき(字が出ません;;)なぞにまけるわけはない、攘夷じゃ、攘夷じゃ!」と言っている人々が出てくる。彼らだって、自分の中では一生懸命考えて、これが正義だと思って必死にやってるんだけど、外の状況がわからないから、感覚がずれてしまう。新型でわのかみ症候群と会うと、こんな攘夷派を連想してしまう。

庶民はそれでも仕方ない。でも、政治家や企業の経営にたずさわる人は、せめて攘夷派にはならないでほしいものだと思う。新型でわのかみ症候群に陥らないで欲しいと思う。