パラダイス鎖国

「Big in Japan」と「スーパーニッチ」

昨日、「スーパーニッチ戦略」について書いたきっかけは、アメリカ人の友人(日本語堪能で日本のことをよく知っている)と、ここに書いたいくつかの例の話をしていた際、彼が「まさにBig in Japanなんだよね」とコメントしたのが面白く、いろいろ考えてみた…

邦人保護と「パラダイス鎖国」の関係

これは、ずっと疑問に感じているが、私の中では結論が出ていないことをつぶやいているだけの話。今朝テレビのニュースでは、エジプトから脱出してアメリカに戻ってきた人を映していた。日本人も、例によって政府の出足が遅いとか批判されながらも、どうやら…

昨日のパネルトーク、録画見られるようになりました

昨日、Keizai Societyでパネルトーク・イベントを行いました。一応私がダークサイド(日本はパラダイス鎖国でぜんぜんダメだぁ)、Rochelleが中間(日本はイタリアみたいなニッチになる)、Kimberlyが強気派(日本は世界のリーダーになる)という役割でのデ…

3月18日、パネル・イベントのお知らせ

講演のお知らせです。3月18日、マウンテン・ビューにて、Keizai Soceityのトーク・イベントに出ることになりました。演題は「Three Scenarios for Japan’s Global Future – Where do we go from here?」で、私のほか、Rochelle KoppさんとKimberly Wiefling…

周波数政策を誤れば「棺桶の蓋に釘」となる

前回の続き。現象としてのパラダイス鎖国は日本のいろいろなところに現出しているが、それに対してどうすればいいかということについては、それぞれの人や企業のおかれた立場や持っている強みなどにより、違うことをやらないといけない。「ニッポンはこうす…

パラダイス鎖国な人々に忍び寄る「ゆるやかな危機」

2年前に本を出して、だいたい言いたいことは言い尽くしたので、その後「パラダイス鎖国」関連のことはあまり積極的に話題にしてこなかったのだが、だからゆったじゃん、と言いたくなってしまったので、覚悟を決めて言ってしまう。まだ正式案内が出ていないの…

「シリコンバレーから将棋を観る」オープンソース翻訳プロジェクトについて

少し前に、「ほめろと言っている海部自身が、こきおろしてばかりいるではないか」というご批判をいただき、確かにそうだな、と思って、これからなるべくほめる話を書こうと思う。といっても、「日本のことをほめる」場合は、英語のブログに書く場合が多いの…

映画サイトをやっててよかったと初めて思った

当地の昨夜、日本の映画「おくりびと」がアカデミー外国語映画賞を受賞した。この映画は、昨年秋に日本で見て、すごく好きな映画なのだが、受賞そのものよりも、私にとっては、2004年から細々と趣味でやっている英語による日本映画情報サイト、「邦画セント…

文系日本人の「外向き国際化」の難しさ

先日、お声をかけていただいて、SF地区の一橋大学OB会(如水会)の集まりに出席した。途中中断した時期はあるものの、SF支部が最初に設立されたのはなんと1908年という、文字通り100年の歴史を誇っているそうだ。そもそも外国との取引のできる人材を育てると…

「違法配信」のせいなのかなぁ?

この記事、興味をもったのでちょっとだけ一言。日本のアニメが世界に「売れない」 生き残りの道は (1/2) - ITmedia NEWS現状はここに報じられているとおりなのだろうが、さてその原因は「違法配信」や「ファンサブ」なんだろうか?もちろん、その影響もある…

「日本語が亡びるとき」と「母の本能」と「多様性」

ウルトラ長文御免。友人の間ですでに一回り話題が一巡して終わっている、水村美苗著「日本語が亡びるとき」をようやく入手できたので読んだ。事前に思ったよりはるかに、私の「肌感覚」で感じていることに近い話であり、また後半に熱く語られる彼女の「主張…

strikes back 6 なんで多様性が大事か、の例

私の古い友人である、大和総研の河口真理子さんが勝間和代さんと対談しているビデオをみっけ。日経ブロードバンドニュース (おそらく、しばらくたつと他のビデオに変わってしまうので、あしからず。)企業の社会的責任(CSR)、「環境」という企業リスク、…

strikes back 5 大国の中のバランス

さて、世界中大不況である。パラダイスどころではない。そして、外でびゅんびゅん冷たい嵐が吹きまくっている中で、内向きだから日本はまだなんとか大丈夫だった、という論調もある。内向きでなんで悪いか、と。実際には、子供達がおうちの中でぬくぬくゲー…

strikes back 4 嫉妬のドライブがなくなったとき

元旦のNHKスペシャルの私の登場部分だけ、妹が録画して送ってくれたので、自分の一瞬芸がどういうふうに使われたのかわかった。雑種路線さんでも書かれているように、ほぼ思ったとおりの使われ方だった。短い時間の中でわかりやすくするためにこうなるだろう…

日本におけるハワイの凋落は自己責任じゃないか論

この年の瀬も押し詰まった日に、どうでもいいことにかみついてみる。ハワイに行く日本人観光客が激減しているという話を読んだ。http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/208804/ハワイより黒川温泉のほうがいいよね、という話は、「パラダイス鎖国」の…

strikes back 3 多様性を確保するという「投資」

さて、このインタビューでも強調したことが、「多様性」の重要性である。本の中でも、結論となった部分である。なんで重要か、という話は本を読んでいただくこととして(笑)、多様性を確保することはそれなりにコストがかかるのだが、それはいわば将来に対…

strikes back 2 「新型でわのかみ」についての吉川氏の証言

昨日「でわのかみ」の話を書いたのだが、今日はシリコンバレー在住で筋金入り日本人アントレプレナー、吉川欣也さんのインタビュー記事がIT Proに出ていて、同じ流れで「全く同意!」と思ったのでご紹介しておく。携帯電話産業がシリコンバレーを無視するの…

strikes back 1 新型でわのかみ症候群

「パラダイス鎖国」の本はだいぶ前に出たし、ブログで書いたのはもう4年近く前なのだが、最近「パラ鎖」に関連して講義してくれといった機会が時々あり、そのたびに「あ、これも言えばよかった・・」などと後から思いついたりする。それで、思いついた話を思…

日経の「海外赴任」に関する小コラム

日経新聞の土曜版についてくる「プラス1」という別冊版がある。「お、今日は佐々木蔵之介のインタビューなんてあるじゃん」とホクホク読み、ぱらぱらめくっていったら、こんな小さなコラムに気がついた。魅力薄れた「海外赴任」署名は、「編集委員 小林明」…

パンドラが難関を突破!そして「アメリカ版電凸」の感想

ちょっと嬉しいニュースがあったので、書きとめておく。最近ではiPhoneアプリでも随一の人気を誇るネットラジオ、Pandoraが、音楽ライセンス料をめぐる議会やRIAA(レコード会社の業界団体)やNAB(既存放送局の業界団体)との泥仕合を戦い抜き、「ライセン…

記事掲載のお知らせ - リクルートワークス Works

少し遅くなりましたが、リクルートワークスの発行するWorksという機関誌の8月9日号「カオス発、創造へ」の一部に、私のインタビュー記事を掲載していただきました。「人材開発」に関する話です。シリコンバレーでのインタビュー分は、原丈人さんと私が載って…

日本の新しい「議論の分かれない目標」

例年のように、夏休みで日本に来ている。前回来たのが3月だったので、4ヶ月ほどしか経っていないのだが、前回「こんなだったかな?」と疑問に思う「大流行現象」があるのに気がついた。それは「エコ」である。洞爺湖サミットのせいもあると思うが、テレビ…

今井賢一著「創造的破壊とは何か」−私の本で食い足りなかった方に

創造的破壊とは何か 日本産業の再挑戦作者: 今井賢一出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2008/05/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (9件) を見る私の「パラダイス鎖国」では、「それでは日本はどうすればよいか」の方策…

「おもてなしde開国プロジェクト」@京都

突然ですが、京都をもっと外国人訪問者にとって魅力的なところにするにはどうしたらいいか・・・それを探るための「おもてなしde開国プロジェクト」なる(どっかできいたような・・・?)計画が始動することになりました。私も微妙に関わっているので、ご紹…

記事掲載のお知らせ − 月刊アスキー

だいぶ前に記事を書いたり取材されたりしたっきり、まだ雑誌が送られてこないので忘れていましたが、月刊アスキーの6月号は、「海部美知特集」wwです。特集の「携帯電話」関連に2本寄稿しているほか、中島聡さんとの対談の記事、「著者インタビュー」と、出…

日経ビジネス・オンラインに書評が載ってます

これまで、「手前ミソ」の月刊アスキーとか、私が連載を持っている日経コミュニケーションとか、メジャーなメディアでは「身内」しか、私の本の書評は載っていなかったのだが、昨日は日経ビジネス・オンラインに載せていただいている。http://business.nikke…

トークイベントが、YouTubeに出ました

先日、八重洲ブックセンターで開催された中島聡x海部美知のトークイベントの様子を、月刊アスキー編集部にて録画・編集して、YouTubeにアップしていただきました。これは「プチ変人のススメ」のくだり。monthlyascii - YouTubeしゃべっているときは、自分が…

対談ビデオ第一弾がアップされました!

徳力さんのサイトに、3/11の八重洲ブックセンターでの中島さんとの対談のビデオ、第一部がアップされています。[徳力] ブログを書けば本が出せるのではなく、伝えたいことがあることが重要という話先日のポッドキャスト収録でもそうでしたが、BGMがつくだけ…

場外乱闘編 − 中島聡のひみつ

火曜日の対談イベントでは、その前後にもいろいろと場外乱闘があったので、ちょっと書いてしまう。中島さんは、本でも自分で書いているように、マイクロソフトにいる間は、MS軍を率いる「ミニ・ビルゲイツ」の一人であった。もともと素質もあったに違いない…

楽しかった対談イベント+本の目次

昨夜は、多くの方に八重洲ブックセンターの対談イベントにご来場いただき、ありがとうございました。満員ではいれなかった方、申し訳ありませんでした。あとで内容はあちこちでネットにアップされますので、少々お待ちください。イベントが始まる前の控え室…