携帯電話の電話帳機能と「モバイル・クラウド」

ホリエモンのブログで、ガラケーの電話帳機能の「遅れ」と、Facebook-iPhoneの連携の話が書いてあり、「おぉ、ようやく日本でもこういうことを言ってくれる人が出てきた」と思ったので、ちょっと一言追加。

携帯電話の電話帳機能 | 堀江貴文オフィシャルブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」

日本ではブラックベリーは全く普及していないので誰も言わないけれど、実はブラックベリーの電話帳はこの「FB-iPhone」連携よりももっと進んでいる。下記の「日経コミュニケーション」のコラムで書いた「電話の基本機能はここ10年ほど全く進化していない」ことの対比として書いたのは、こうしたブラックベリーの状況のごく一部である。

Facebookの“クラウド通信”,携帯通話の停滞の打破を期待 | 日経 xTECH(クロステック)

iPhoneはアプリの独立性が高く、電話の基本機能(カレンダーと電話帳=PIM, Personal Information Management)とのインテグレーションはなかなかやらせてくれない。しかしブラックベリーは、アプリの数は少ないながら、その少数の「ビジネスマン向け」のアプリとRIMが提携して、ブラックベリーの電話帳やカレンダーに、アプリの内容(フェースブック上の友人の顔写真や誕生日情報、旅行アプリで作成した出張のスケジュールなど・・・)が自動的にプッシュ同期されるものが多い。

これにさらに、Gmail、GoogleVoice、Google Calenderをくっつけると最強。ブラックベリーGoogleの同期アプリを入れているので、Gmailにメールを送ってきた人のメルアドは、自分で登録作業をしなくてもブラックベリーの電話帳に自動的にはいる。Google Calenderにいれたスケジュールも自動同期される。このため、ブラックベリーで常に問題になっていた「パソコンとつなげて同期」をしなくてもよくなった。さらに、SkydeckというブラックベリーアプリとGoogleVoiceのマッシュアップを使っているので、ブラックベリーあてにかかってきて出られなかった電話はSkydeck経由でGoogleVoiceにはいり、通話記録・ボイスメールの文字化(英語のみ)と録音・SMSの閲覧がパソコンでできる。GoogleVoiceとGmailのコンタクトリストは共通なので、初めての相手からブラックベリーあてにかかってきた電話の番号も、GoogleVoice経由でGoogleのアドレス帳に記録される。その番号に相手の名前を入力したり、既存コンタクトのメールアドレスがある場合にそれと関連づけるなどは自分でやらなければならないけれど、それでもだいぶ簡単になった。まぁ、SkydeckとGVをつなげて使うのはやや高度技だろうとは思うが。ちなみに、Skydeckはマルチタスク機能が必要なため、iPhoneアプリは出していない。

完全にGoogleクラウドに依存すると、ネットにアクセスできない環境にあるときに困るのだが、ブラックベリーのPIMにはプッシュ同期されているので、このバックアップがあると安心。ブラックベリーGoogleをコアにしてすべて横につなげて管理している感じで、iPhone/iPadからはその内容をただ見るだけである。iPhoneはビューアーとしては優れているけれど、インプットやこうした管理をするには使いにくい・・・とはいっても、この体制を作ったのは数ヶ月前のことで、最近はiPhoneGoogleの同期も、もうちょっとやりやすくなっているかもしれない。

ずぼらな私にとっては、アドレス帳とカレンダーの管理が面倒でたまらず、長年の悩みだったが、最近はこのおかげでだいぶ便利になった。

「電話屋」として、長年、携帯電話機に、テレビだのオサイフだのゲームだの、といったおまけ(bells and whistles)をてんこ盛りにすることばかり考え、本当に基本的な、電話をかける・受ける、メールを送る・受ける、という動作に必要な機能については、十年一日で全く改良を怠っていたキャリアやメーカーに対して、いかがなものか、とずっと思っていた。電話屋としての基本を外しているのでは、と思っていた。これは日本でも米国でも同じこと。なので、それがようやく、クラウドとの連携によって、再び進歩を始めたというのは喜ばしいことだ。

「モバイル・クラウド」はまだまだ「掛け声」の段階だけれども、「PIM」という基本的な部分では、そろそろ本格的に使えるようになっていると思っている。そして、まだまだ「iPhone」というごく限られた窓だけだが、スマートフォンの窓が日本でも開いていて、日本からでもモバイル・クラウドの動きが見えるようになったのはとてもよいことだ。

なお、今週木曜日には、WirelessWireに「米国のスマートフォン編」を掲載予定なので、興味のある方は参考にしてほしい。
WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)- The Technology and Ecosystem of the IoT