Blackberry Stormを触ってみた

今日は、VoiceConという、マイナーな展示会に行っていた。こういう、ガリガリのギョーカイの人しか来ない展示会はなんだかほっとする。「エンタープライズ向け音声ソリューション」がテーマなのだけれど、このご時世、当然ユニファイド・コミュニケーションとか、FMC(Fixed Mobile Communication)とか、そういうものが流行なので、スマートフォン系の人もかなり来ている。

たまたま、昼食時に同じテーブルにRIMの人がいて、「新しいBlackberryは、BoldもFlipもStormも全部持ってるYO!」と自慢していたので、Stormも触らせてもらった。

画面が大きくてiPhoneライクなのだけど、タッチスクリーンを押すときに、押した部分の周りのやや広い部分が「ポコッ」とへこんだような、手ごたえがある。うーむ、これがその、タッチスクリーンと押し込む感じのインテグレーションか・・・

最初、iPhoneの感覚でちょっと触るだけだと、何も起こらない。ぐっと押し込むと「ポコッ」っといって画面が変わる。これはテキストだけじゃなくて、タッチスクリーンでアイコンを選ぶときもそうだ。不思議な感じではある。iPhoneと同じではダメ、というRIMの意地が感じられる。

でも、はっきり言って、テキストを打ち込むのはそれほどラクじゃない。(iPhoneよりはベターだと思うが。)他のBlackberryのボタンが微妙に傾いたりしているのはダテじゃなくて、親指で下のほうから力をかけてテキストボタンを押していくのがやりやすいようになっているわけで、Stormの平らな画面だと、やはりあまり早く押せないし、打ち損ないが多い。でも、同席のほかのアメリカ人たちは、「面白い」「これはいい」と言っている人が多かった。単なる慣れの問題かもしれない。

ところが、なんたってStormはアメリカではベライゾンから出る。クリスマス前には発売だろう。私自身の使い勝手としては、やっぱりPearl Flipに軍配あげるけど、T-Mobileベライゾンだから、なんだかんだでStormのほうが売れるだろうな。ベライゾンも、久々の大物端末になるので、プロモーションに力を入れるだろうし。

ところで、BlackberryがめっちゃYahooに接近しているのが面白い。前に書いたように、カレンダーやアドレス帳は、従来のOutlookだけじゃなくて、Yahooと直接ネット同期できる。これは便利。(GoogleカレンダーGoogleグループは何かと細かいところで使い勝手が悪く、以前から使っているYahooのほうを私は愛用している。)また、ブラウザーのデフォルト検索窓もYahoo。それにつけても、competition is good。Googleだけになってしまわないよう、Yahooもなんとか生き残ってほしいものだ。

それに、こうやってiPhoneやGphoneと正面切って戦い続けているRIMにも、引き続き敬意を表したい。別のランチ同席者(某大手ユーザー企業の中の人)が、「数年前はBlackberryPalm Treoが人気があったけれど、Treoはすっかり凋落してしまった」と言うので、「その頃、企業内アプリや業務用バーティカル・アプリを使うときは、Blackberryはインテグレーションしづらい、Palmのほうが対応アプリが多いし、統合しやすい、という意見が多くて、それが強みだったと思うのだけれど、今はどう?」と聞いたところ、「Blackberryはずいぶんよくなっている」と言っていた。アップルやグーグルに比べれば、小さな中堅企業でしかないRIMだけれど、何十年もかけてこの市場を築いてきた粘り腰はすごい。ぜひ、巨人に押しつぶされないように頑張ってほしいと思う。