よーし、ベビーシッター普及キャンペーンを張るぞ。

まずは、再び、いろいろコメントをいただき、ありがとうございます。

いろいろ日本では環境が整っていなくて問題があることは承知の上、だからできる人からやってみたら?という提案であることは、多くの方が理解いただいているようなので、ほっとしている。

それで、いくつか「いざ、ベビーシッターを雇ってみよう」あるいは「ベビーシッターをやってみよう」という方をサポートすべく、いくつか参考事項を挙げておく。

  • 給料の相場: Wikipediaによると、2005年のアメリカ全国の「臨時ベビーシッター」の相場は、時給$6.04だそうだ。ニューヨークでは11ドル以上、低いところでは2ドル台とばらつきがある。地域差に加え、シッターさんの経験や評判により、大幅に料金はばらつきがある。つまり、引く手あまたの評判のよい子は高い、という資本主義の原理。
  • ベビーシッターの心得: 救急措置(CPR)の訓練を受けている人は高く評価される。学校で、CPRを含む「ベビーシッターの心得」といった講座(授業でなく、課外活動として)をオファーしているところもある。「私は高校でこのコースを受けました」といえば、雇い主からの信用は高くなる。
  • 雇い主の心得: 頼むときには、やるべき仕事に加え、子供に対してどういうルールを適用すべきか(何時に寝かせるか、ゲームはどれだけやらせてよいか、など)をきちんと説明すること。これが結構面倒なのだな。それから、すでに経験のあるシッターさんだったら、雇う前に、以前の雇い主に評判を聞くとよい。よいとかだめとかだけでなく、「こういうのは苦手だから、気をつけたほうがいい」などのアドバイスがもらえる。

なお、一応補足しておくと・・・

  • 出典が思い出せないうろ覚えなのだが、アメリカでもこういう臨時ベビーシッターが普及したのは戦後の比較的最近になってから、ということだったと記憶している。電気製品の普及などで主婦の労働が軽くなり、仕事をしたり夫婦で出かけたりということがしやすくなってからのこと、という説明だった。「歴史」とか「文化」とかいうほど大げさなものではない。
  • アメリカでマイノリティが子供の世話の仕事をするケースが多いのは事実だが、これは生活していくために働く「プロ」であるから、週末2時間だけ、とかそういうことは普通やってくれない。週5日、みたいな定期で頼む人は「ナニー」といって区別する。臨時ベビーシッターは、普通の学生がやることのほうが多い。
  • プロのナニーを雇用するのは、非常に面倒。税金や保険をきちんと処理し、信用調査をしたりなんだり、お金もかかる。給料も、上記のレベルよりはるかに高い。今私が問題にしているのは、こういう「プロのナニー」ではない。こういうニーズについては、日本でもすでに、派遣する業者などがある。
  • 何年か前、赤ちゃんの扱いをちゃんとしなかったを虐待して殺したということで問題になったのは、「オーペア」といって、これまたちょっと別のカテゴリー。海外の学生が、子供の世話をすることを条件にアメリカにしばらく住むためのアレンジメント。「プロのナニー」ほどちゃんとしていないが、「臨時ベビーシッター」ほど短期間ではない。
  • 非常に厳密に言えば、臨時ベビーシッターでも、ちゃんと税金を払うだの雇用契約して税務署に届けるだのをしないといけないのだろうが、なんせ一回10ドルとかの話。近所の子供のレモネードを買ったり、洗車のアルバイトをしてもらったりするのと同様、「ご近所づきあい」の範囲内で済ませるのが普通。
  • 子供を虐待したり、家のものを盗んだりしたら、すぐに近所のうわさになり、その子にはもう二度と仕事は来なくなる。評判のいい子を雇えば、その心配はまずない。だから、雇うときには、以前の雇い主に必ず評判を聞く。(最初にベビーシッターをやる人だったら、親戚などごく身近でよく知っている人からはじめて、徐々に評判を積み上げていくのがいいだろう。)

・・ということで、「最低賃金が」とか、そんなに厳密に、まじめに、大げさに考えないでほしい。学生にとっては、アルバイトの選択肢が一つ増えただけ。そして、子供と遊んであげる経験は、学生にとっても、責任感を育てたり、子供との接触に慣れるといういい経験になるだろう。