「ネット+携帯」と「ATM」の不公平

たまたまアメリカの「ネット詐欺トップ10」の統計を見つけた。面白かったので、紹介してみる。

  1. オンラインオークション 42%
  2. 一般商品 30%
  3. ナイジェリア・マネー詐欺 8%
  4. ニセ小切手 6%
  5. 宝くじ関係 4%
  6. フィッシング詐欺 2%
  7. 手数料先払いローン 1%
  8. 情報・アダルト系サービス 1%
  9. インターネット・アクセス・サービス 1%
  10. 「自宅で仕事」詐欺 1%

(出典: National Consumers League (NCL))

よく「フィッシング詐欺」が話題になるけれど、実はそれほどたいしたことはなく、被害件数からいうとフィッシングより、ネットオークションのトラブルのほうが圧倒的に多いというのは、なんとなくわかる。それよりも、古典的な「ナイジェリア詐欺」のほうがいまだに多い、というのが笑ってしまう。これだけ有名な詐欺なのに、まだひっかかるヤツがいる。(ちなみに、日本でこの種の統計をどなたかご存知でしたら、教えてください。比較してみたいです。)

日本では相変わらず、振り込め詐欺がはびこっているらしい。振り込め詐欺はネット犯罪ではないが、そういえばこれも、あれだけテレビでも新聞でも公的機関でも、詐欺の手口とか気をつけましょうとか言っているのに、まだひっかかるヤツがいる。

どこにでも、情報が伝わらない人々というのはいるんだな、と思う。で、そういう問題があるというと、敵がネットや携帯ならすぐ、マスコミは「ネットは危ない」「携帯は危ない」というキャンペーンを張る。でも、言っとくけど振り込め詐欺はネットじゃないよ。電話するヤツは携帯かもしれないが、電話を受ける被害者はだいたい固定電話だろう。それより、「ATMであまりに簡単に大金を動かせてしまうこと」のほうが重大な問題じゃないだろうか。

だったら、「ATMは危ない」というキャンペーンを張って、「xx歳以上の人のATMへのアクセスは制限しましょう」という話にしてみたらどうだろう。だって、ネットや携帯みたいな、「お年寄りが使い方のわからないものを押し付けるのはよくない」んでしょ?ATMをどういう使い方するのかわからない人に、それを押し付けてる状態がよくないんじゃないの?*1

そりゃ、文句出るだろうね。ATMが使えなかったら困るじゃないか、って。でもさ、アメリカでは「ATMから簡単に振込み」ってできないから、少なくとも振込み詐欺はないよ。「ニセ小切手詐欺」はあるけどね。

なんでATMだけ特別なのかいな。

<追記>
コメント、ブクマをありがとうございます。なるほど、後半の私の主張については、単に私自身が「情報が伝わらない人」であったようだ、ということがわかりました。大変失礼いたしました。

*1:そのために、振込み上限額を設定できるようになっているのは知っている。でも、詐欺被害者予備軍のかたがたの場合、上限額はだいたい、デフォルトのままになってるだろうし、デフォルト金額がその人にとってはかなりの高額かもしれない。それでは不完全だ。