MacWorldで思った、「映像」雑感

Ratatouille


デジタル化された音楽は「情報」に過ぎず、「作品」としての音源とは違うものだ、と分類したのは丸山茂雄さんで、これを読んだときナルホドと大感心した。

丸山茂雄の音楽予報

昨日、MacWorldでAppleTVのプレゼンで「Ratatouille」を見ながら、この話を思い出していた。ピクサーの映画は、それ自体「作品」である。これに対して、YouTubeは「情報」である。で、作品に対しては、対価を要求できる。これなら、ちゃんとお金を払ってもいい、とユーザーもなんとなく納得する。

AppleTVやレンタルサービスに関しては、江島健太郎さんの下記のエントリーに完璧に同意。

MacWorld Expo 2008の真打ちはApple TVだった:Kenn's Clairvoyance - CNET Japan

個人的には、特に「容量」の部分がこれまで問題だったので、レンタルは大歓迎。ただ、今Netflixを使っているほぼ唯一の理由は、「ロングテール」だからで、日本の映画(アメリカでDVDが出ていれば、だが)やマイナーなドキュメンタリー映画でも、なんでも手に入る。iTMSNetflixと同じぐらいの品揃えに、早くなってほしい。その頃には、今DVDにはいっている「オマケ映像」もつくようにな・・らないかな・・・?

先週のCESでは、ブルーレイとHDDVDの騒ぎと並行して、日本勢が大画面テレビで頑張っていたようだが(私は行ってない)、受像機のHD/大画面化と配信サービスのsophisticationのおかげで、今は遅れているアメリカでも、ますますブロードバンド回線の普及や高速化が進むだろう。

2005年以降の「ネット景気」は、アメリカはずっと「需要が牽引」するパターンで進んでいる。今回も、「AppleTVを見たいから」「IPTVを見たいから」光アクセス回線を入れる、という順番になっていく。これに対して、日本は「まず光」をひいてから、中に何を入れるか困り果てている。「放送と通信は分離」してなきゃいけないらしいので、アメリカでベライゾンがケーブルテレビに対抗してるようなことはできない。相変わらず、「誰も使わない道路をド田舎に作る」文化から脱していない国だ。