日本の年齢層別「ニッチ(生息圏)」

渡辺千賀さんのエントリーを読んで、笑ってしまったのでちょっと書く。

ビリーズブートキャンプにみる日米流行の違い | On Off and Beyond

ビリーズ・ブートキャンプの話はさておき、エントリーの中で

アメリカは)「人口密度が薄いのでニュースが大勢を左右しない」ということ。日本は東京圏に激しく人口が集中していて、ニュースはそこで醸成され国の残りに流れていくという傾向が強いが、アメリカはまず都市毎に情報が分散していて、しかも車社会であまり人に会わずに生活できてしまうため「小耳に挟む」ということが少ない。

という話がある。あまり人に会わずに生活できてしまう・・・という件、全く同感で、昨年日本に行ったときに「いやー、ほんとに日本は、どこに行ってもいろんな人がたくさんいて、どういうことやっているか、よくわかるなー」と思ったものである。

というのも、そのちょっと前に「最近、アメリカの若い人って何をやってるの?」と聞かれて、そういえば「子供たち」は日々目にしているけれど、高校生とか大学生とかって、ほとんど姿を見たことないな、どこにいるんだろ?と思ったのが最初で、そういえばウチの街は「シニア・ハウジング」がたまたまいっぱいあるから、その近くのスーパーでご老人の姿も見かけるが、そうでない限り、ご老人もあまり見かけないのが普通。と考えてみると、「自分とほぼ同じ年齢層、収入層、家族構成層の人々が自然に集まる集落に住んで、それ以外の人はほとんど目にする機会がない」のがアメリカだなー、と気がついた。千賀さんが言うように、車社会で分散していることもある。

これが日本になると、みんな自転車や徒歩で道を通過し、駅やスーパーに集るので、そういうところに行くと、学生もサラリーマンもご老人も、ごっちゃり存在している。「若い人が何をやっているのか」、限られたサンプルではあるが、自分の肉眼で見ることができる。

ところが、今回日本にいる間、なぜか「グレイヘアの人々」ばかりが目についてしまったのだ。いろんな時間に電車に乗ったし、都会にも郊外にも行ったのだけど、なんだか「若い人が少ないな・・・」と思い始めたら、ますます目についてしまっただけなのかもしれないが。

で、少し前に同じく日本に行っていた友人にこの話をすると、彼女も「新宿駅の近くに泊まっていたけれど、学生と中年しか見なかった。20代のOLとか若いサラリーマンとかは、一体どこにいるの?と思った」と言い出した。

亭主に言わせると「新丸ビルのなんとかいう流行のレストランに行ったら、若いやつばかりだったよ。そういうところに集ってるんだろーな。」だそうだ。(彼はめちゃくちゃ場違いだったのでよく覚えているようだ・・)

いくら少子高齢化だと言っても、一年やそこらで20代が消滅するわけもなく、とすれば「年齢層別ニッチ(生息圏)」がこれまで以上にはっきりと分かれて、出没する場所が分離してしまった、ということ以外、考えられない。

ここ数年、不景気で会社が終わるとみんなおうちに帰っていたのが、最近は景気がよくなって、バブルの頃みたいに、(もともと年齢別に分かれやすい性質のある)盛り場に集ることができるようになった、ということなんだろーか?

などと、帰りの飛行機の中で「バブルへGO! タイムマシンはドラム式」という映画を見て大笑いしながら、ふと考えてしまった。(ちなみに、この映画、あまり売れなかったらしいが、これは題名が悪いと思ふ。お話の設定もアホだし、題名がおバカ映画っぽく聞こえるけど、「財務省」だの「日立」だのが実名で登場して世相皮肉みたいなものも盛り込まれていて、阿部寛好きだし、私には面白かったナ・・・)