Pandoraの海外配信中止とDigg炎上

Pandoraは、Web2.0インターネット・ラジオの代表格。私はこのサービスのヘビーユーザーだ。好きなアーティスト名や曲名を入力すると、それと共通の要素のある曲の候補を次々と流してくれる。好きなら「Thumb up」、嫌いなら「Thumb down」をクリックしたり、もっと数多くのアーティスト名を入れたりすると、だんだん自分の好みばかりを流す局ができあがる。気に入ったらブックマークもできるし、iTunesからワンクリックで購入もできる。最近、私のiTunesでの購買はほとんどPandora経由になっている。ラプソディは有料だけどこれは無料だし、Last.fmなどよりももっと「好み」の入力が簡単だし、ティーンでもないので他人とシェアするつもりもなく、とにかく自分の好きな種類の新しい曲が見つかればいい、ということで、気に入っている。

Pandora ウェブサイト

このサービス、下のほうに小さく「現在のところ、米国でしかサービスしていない」と書いてあるので、海外はブロックされてるとばかり思っていたら、そうではなかったらしい。しかし、結局ネット配信のブランケット・ライセンスが、米国以外ではイギリスとカナダだけしか許諾されなかったため、これらの国以外への配信は昨日をもって中止となったらしい。

Pandoraサイトに掲載されたお知らせ

このところ、米国議会では、こうしたインターネット・ラジオから法外な著作権料を取るという法律ができかけており、これが成立してしまったら、Pandoraはもう生きていけなくなってしまう。これに反対するネット署名もしたが、本当に音楽著作権ロビーの横暴には腹が立つ。海賊版の取り締まりの話はまだ許せるが、なんでネットラジオをつぶさなければいけない??ネットラジオがなくなったら、私の音楽の有料購入はまたほとんどゼロに戻ってしまうだろう。

最近、動画のほうに興味が行っていて、日本でこの種のネット音楽の事情はどうなっているのかよく知らないが、日本でもPandoraのリスナーがいたのだろうか?なんとかならないのかな??丸山さん、なんとかしてくださいよ・・・

それにしても、今週初めのDigg炎上の件も、米国のマスコミは「Web2.0・ユーザーコンテンツの内包する危険」みたいなことばかり書いているけれど、本当のところ、こういう著作権ロビーの横暴に対するギークの日ごろからの恨みつらみの爆発、だったんじゃないかと思うのだけど。なんたって、Diggが問題のエントリーの削除をやめると宣言した途端、炎上はあっという間に収まった、という後日談がおかしい、んだけど。

San Francisco Chronicle記事