カルロス・スリムの大活躍!AT&Tのテレコムイタリア買収劇

いや、AT&Tがこのところ拡張政策を続けていたとか、テレコムイタリアの携帯子会社TIM(Telecom Italia Mobiles)はイタリアで唯一残った民族系携帯会社だとか、だからAT&T・America Movil連合軍による買収はイタリア政府が反対しているとか、それでもテレコムイタリアの最大株主のピレリ(そう、あのタイヤの会社・・テレコム機器もやっている)は損切りのためにどうしても売りたいとか、イタリアはかつて欧州で一番携帯加入者数の多い国だったとか(今はロシアね)、そういうマジメな話はウォールストリート・ジャーナルとか日経新聞(には載ってないかな?ウェブ版にはもうすぐ載りますよ・・)を読んで欲しい。

買収劇そのものは、「なんか98年の国際通信自由化の頃を思い出すなぁー」ぐらいの感覚でしかない。こんなにやたら大きな話は、私のような泡沫コンサルタントにはなんの影響も及ぼさない。

いや、なんたって、私の興味は、カルロス・スリムだ。(えーと、この件、全く無視するつもりだったら、とある読者から「カルロス・スリムに詳しい海部さんのコメントは?」と聞かれたもので・・汗;)どうも、あのAT&T(旧SBC)のこわもてエド・ウィタカーとカルロスは、やたら仲が良いようだ。SBCがカルロスと組んでメキシコの旧国営電話会社株を落札したのは、確か90年代前半?半ば?だったかな?とにかく10年ぐらいはたっているはず。カルロスがやっている、中南米の携帯電話会社をロールアップ(買収して集めてくる)した持ち株会社America Movilにも、SBCは投資している。TIMは南米でもかなりの携帯電話会社の株を持っているので、彼らの人脈とか商売的なつながりはそこから来ているのかもしれない。

メキシコでのMCIの商売にからみ、買収前のMCIの最大株主だったために、ベライゾンに買収されたあとはベライゾンの株もたくさん持っていた(けど、今はどうしたのかな?最近これはフォローしていない・・)。アメリカで最大のドブ板系MVNO、Tracfoneはカルロスがやっている会社だ。さて、今度は欧州でも活躍の兆し。

コメントというほどのコメントはないが、相変わらず面白い、世界で三番目(ビル・ゲイツ、ウォレン・バフェットの次)の大富豪、カルロス・スリム氏に引き続き注目。久しぶりに、彼にもらった古いメキシコの風景画版画の画集を引っ張り出して、なんとなく眺めている。

カルロス・スリムに関する過去の記事は下記のとおり。

世界で三番目の大金持ち、誰かご存知ですか? - Tech Mom from Silicon Valley
カルロス・スリム (Carlos Slim)の野望 - Tech Mom from Silicon Valley
テレコムおたく史観による新興国のダイナミズム論 - Tech Mom from Silicon Valley
出た!カルロス・スリム! - Tech Mom from Silicon Valley