シュワちゃん登場!CTIA-IT展示会

携帯電話業界団体CTIAが主催する、モバイル・無線データの展示会、CTIA-ITがロサンゼルスで開催されている。明日までやっているが、私は月曜の前座セミナーと、昨日・今日だけ見て帰ってきた。

秋にやるIT展示会は、春の全体の展示会に比べて規模もうんと小さく、まぁどっちかというと、展示会を見に行くというより、ミーティングをするのにいい機会だから皆集まる、といった感じが強い。それでも、昨年の秋にサンフランシスコでやったときは、ちょうどビデオiPodの発表後で、MediaFLOの初の動態展示などもあり、携帯テレビで盛り上がっていてそれなりに華やかだったが、今年はそれに比べて、やや地味な印象があった。

キーノートも、予定されていたのはそーとーに地味なラインアップで、あーあ、雑誌の記事書くのに、写真撮って日本の人がわかるようなセレブもいなくて、誌面を埋めるのが大変だな・・と思っていたら、なんと、本番初日(火曜日)のキーノートのトップに、シュワルツネッガー知事がサプライズ・ゲストとして突然登場。会場は騒然として、それから皆立ち上がって大拍手。私はなにより、「やったー!写真はこれでオッケー!」。スピーチの内容はまぁアタリマエの話ばかりだが、「会場に閉じこもっていないで、外に出てお金を使ってください。食事には是非カリフォルニア・ワインを。」などと笑わせ、最後は「カリフォルニアは皆さんの業界の味方。携帯電話業界の皆さん、これからもよい仕事をしてください。I'll Be Back!」と、やはり締めはこれ。知事選を控えているので、これまたなかなか笑わせるオチでもある。

それ以外だと、あまり大きな発表はなく、昨年に引き続き、スマートフォン業界が元気で、ブラックベリーの消費者市場向け安価モデルや、パームのスプリント向けWindowsMobile対応トレオなどの新機種が展示されているとか、携帯テレビのMobiTVがWiMax対応サービスのデモをやろうとしてうまくいかず四苦八苦してるとか、モバイル・エンターテイメントの会社もかなり顔ぶれが変わりながらもたくさんきているとか、そんな感じであった。スマートフォンではWindowsMobileがじわじわと勢力を伸ばしている雰囲気が感じられ、昨年までちょっと元気のなかった企業向けアプリやサービスがいくらか増えているような気もした。まぁでも、このあたりは感覚でしかないが。

キーノートでは、二日目のモバイル・エンターテイメント座談会が面白かった。ウォールストリート・ジャーナルの人気コラムニスト、ウォルター・モスバーグ氏がモデレーターで、携帯ゲームのEAモバイル、ソニー・エンターテイメント、ベライゾンからそれぞれエグゼキュティブが出てきたのだが、モスバーグが面と向かって、大手携帯キャリアのことを「ソビエト政府幹部」と揶揄したときは、会場から大きな拍手が出た。(来場者には携帯コンテンツ・プロバイダーが多く、何かとコントロールしたがる大手キャリアに溜飲下げたというところ。)「固定ネットで自由にできることがなんで携帯だとできないのか」「なんで端末ごとにこんなに技術やインターフェースが違うのか」など、いつもの調子の辛口質問で、パネリストは皆たじたじであった。

明日は本当なら、キーノートは「SNS」がテーマで、デジタル・チョコレートのトリップ・ホーキンスやヘリオ(アースリンクと韓国のSKテレコムの合弁MVNO)のスカイ・デイトンも出てくる予定で、「MVNO総崩れ」の話がどう語られるのか興味があったのだが、これは残念ながら聞けずじまいであった。