アメリカ人の育て方3.3 - 「子供がいるからカッコいい」

いい加減に、3のバージョンアップはやめようと思っていたのだけれど、また追加したいことが出てきてしまった。「文句言うなら、まず自分でやってみましょう」という、いただいたトラックバックの題を見て、そうだそうだ、私も人のことばっかじゃいけない、と思った次第。

私たち、子育て中の母親が、被害者意識に凝り固まって、「自分たちは重労働で自由がなくて惨めだ」と言ってばかりいたら、そりゃーだれだって、「あーはなりたくない」と思うだろう。一方、女性から見て「素敵なお母さん」と世上言われる女性というのは、子供がいるにもかかわらず身奇麗にして颯爽と何か他のことをやっていて、という方々が多く、つまり「子供の存在はやっぱりネガティブ」の思想なので、ちょっとまってー、と思ったりする。

子育て母親も、被害者意識から抜け出して、堂々と自分たちが幸せになるように、若い母親候補の女性たちから憧れの存在になるように(=ぐーたら母親道に精進して・・・)、努力しないといかんなー、と思うのだ。

かく言う私も、一時は被害者意識に凝り固まっていた時期がある。亭主が出張がちなので、小さい子供がいるとなかなか私は出張ができない。国際関係の仕事が得意分野なのに出張できないというのは大いなる自己矛盾で、そのために、出産後就職しようとしても全然雇ってもらえず、クサりきっていたことがある。「亭主はあーやって出歩いてるのに、私は子供がいる女だから・・」とか、被害者意識の芽が出てくると、だんだん悪循環に陥る。

まぁしかし、最近ではあまりそういう難しいことは考えず、ストレスがたまったら工夫して発散したりサボったりし、クライアントにやりこめられたら子供のかわいい写真を見て(ほんものよりも写真のほうが効果があったりする-笑)「あんたたちがいるから、お客にいぢめられてもママはがんばれるのよー」と自らを慰めたりして、子供をネガティブな立場に置かないように気をつけている。「仕事も育児も中途半端」と言われたら、「私の場合は、この比率のポートフォリオが最適なんだ」と言い返す。(だいたい、もし子供がいなくて100%仕事に集中したところで、今よりものすごくすばらしい仕事ができるとは思えない。逆に育児に専念したら、気が狂って子供を虐待しそうだし。)

私の場合、アメリカという、ぐーたらお母さん天国だからやりやすい、ということもある。でも、日本人のお母さんたちは真面目だから、ついつい「自分が我慢さえすれば・・」みたいな状況に陥りやすく、逆にあえてキビしい言い方をすると、その「被害者意識」にマゾヒスティックに酔ってしまうこともあるんじゃないかと思う。

「家族のためにも、天下国家のためにも、自分は幸せにならなきゃいかん」ぐらいに思っていて、ちょうどいいと思うのだ。

子供がいるからカッコいい、子供がいるから楽しい、子供がいるから幸せ、そういう素敵なお母さんになりたいと思う。いやー、現実は相変わらずぐーたらな母親ですがね・・・

(ちなみに、男性に関しては最近、勝手にそういうふうに思ってしまいます。まだ若いと思っていたある仕事上の友人の男性が、実はたくさん子供がいると聞いて、「かっこい〜!」と惚れ直してしまいました。)