昨日の続き - 「儲からないけど広がる」Web2.0

まずはまた言い訳から。昨日のエントリーでFlickrのビジネスモデルは有料プリント、と書いたが、「有料のProサービスもある」とのご指摘をいただいた。確かにそのとおりで、裏をとらずにポッドキャストで言っていたことを受け売りしてしまって申し訳なかった。ただし、その有料サービスのユーザーが80人より多いのかどうかは不明だが・・・

さて、書き終わったあと、ふと思い出したことがある。数年前、梅田さんと当時流行りはじめていたWiFiの話をしていたときのこと。頭固いキャリア根性の私は、「サービスとしては採算とれると思わないので、家やオフィスの中の自営網はともかく、公共サービスとしては誰も儲からないし、だからやらないし、だから広がらないのでは?」と発言したところ、梅田さんは「いや、儲からないけど広がるんだよ。」と仰有った。

結果はご存知のとおり、梅田さんの予言どおりになった。面的にカバーしようと思ったら到底採算がとれないが(だから、Googleなどが投資して話題になった欧州のFONという会社が私にはまだ理解できていない)、適正規模の範囲で「別のことをするためのコスト」と捉えれば、そんなに高くないコストで顧客サービスの向上だとかブランドの露出だとか、そういうことが可能になるわけだ。で、WiFi使いたい人はたくさんいるから、一社の規模はあまり大きくないけれど、たくさんの「適正規模」の公共サービスが広がっている。(有料サービスだけでなく、ホテルやコンベンションなどで無料でやってるものを含めて・・)

で、Web2.0も、「儲からないけど広がる」ことになるんだろうな、と思う。中には、アグリゲートするモデルで儲かる人もいるだろうが、大半はWiFiみたいな経緯をたどるのではないかと思う。「規模の経済」じゃなくて、「適正規模の経済」ってことで。