Converged Devices(その2)-「パソコン一家のきかん坊」とiPod電話

ウチのiPod Miniくんは、きかん坊である。ちっとも言うことをきかない。電源をオフにしておいたはずなのに、勝手に夜中に動き出したり(それも、なぜか必ずクラプトンをやっている)、曲を勝手にどんどん飛ばしてしまったりする。それで、先日はパソコンのiTunesiPodのソフトを全部入れ替えて初期化し直し、ようやく治ったが、またこのところ「勝手にトバシ現象」が起きている。まるでウチのガキどもみたいだ・・ヤレヤレ・・

今朝も、思わず(ガキどもには絶対に言わないセリフだが)「言うこときかないと、ナノちゃんに替えちゃうゾ!」と思わず言い聞かせてしまった。

ちなみに、「ナノちゃん」とは言ったが、「E790くん」とは言わなかった。モトローラiPod搭載携帯電話のことである。名前がかわいくないだけではない。半年遅れで発売になったiPod電話は、同期に驚異的に時間がかかる(USBのバージョンが古いので、100曲の同期に1時間かかる)とか、100曲しかはいらない(アップルがわざとそういう制限を加えた)とか、使いにくい(トレードマークの大型ジョグダイヤルがなく、極小ジョイスティックしかない)とか、見た目もかっこ悪いとか、まぁ評判は散々である。

「やっぱりね」という感じだが、私がiPod電話がイヤだと思うもう一つの理由は、「きかん坊iPodくん」と、「バグが多くて評判の悪いモトローラ電話」の組み合わせが最悪だと思うからでもある。きかん坊くんは、どんなに小さくてかわいくても、上記のように「家電」じゃなくて、やはり「パソコン一家」の生まれである。なめたらいかんぜよ。一方、モトローラは少し前に使ったが、画面がブラックアウトする問題がひどく、取り替えてもやはり同じ問題が起きた。業界でも「モトローラは壊れやすい」という評判をよく聞く。特に、液晶はいつも調達に苦労しているだけでなく、韓国勢のように自社で液晶を作っているところと比べて、液晶まわりの技術も弱いような気がする。以後、モトローラは買わなくなった。

もともとが電話屋さんのモトローラノキアは、液晶やカメラなど、「電話本来の機能」とは違う部分で苦戦してシェアが長期低落傾向、一方でサムスンやLGといった「家電屋さん」がどんどんシェアを伸ばしているのが今の世の中である。それでふと思い出したのが、先日、亭主がラジオで聞いた話。アメリカでは最近、メルセデス・ベンツの評判が悪いらしい。それも、エンジンだの足回りだのといった車本来の機能ではなく、後部カメラだのステレオだのといった、ごちゃごちゃついている付加機能でやたら不具合が多いのだそうだ。うーん。同じことだなぁ。

梅田さんが、以前「iPodの成功の原因は、自社の本来の強みを徹底的に追求して、そこに付加価値の源泉を求めたことである」と書いておられたが、全く同感である。一方、iPod電話は、モトローラの一番弱いところを無理してやっているのだ。家電機能でさえうまく組み込めないのに、パソコン一家出身のきかん坊をうまく組み込めるとは到底思えない。なんだか、がんがんトラブルが出そうだ。せっかく、超薄型RAZRで少々持ち直したのに、また評判悪くなっちゃうかも・・・