Middle Tailとパラダイス鎖国へのささやかな試み

少し前から、「パラダイス鎖国」の話を連載で(ブログの場合、そう呼ぶのかは不明だが)書いている。(まだ続くのだ・・)当然のことながら、この状態はよくない、と思っているからやいのやいの書いている訳だが、言うだけ言って自分で何もやらないというのはかっこよくないので、自分でできるささやかな試みをやってみようと思った。

私の場合、自分のやるべきことは、「日本人としての見方を、英語で書いて発信すること」と思っている。とりあえず、私には「書く」ことぐらいしかできしかない。もちろん、仕事の上では、日本企業のアメリカ進出のお手伝い、などということをやっているが、「お客さん次第」、つまりあくまでも他力本願。自分だけでできることは、やはり書くことしか思いつかない。

それで、趣味を兼ねて、「日本映画を英語で紹介するサイト」というのを立ち上げてみた。ここでは、もう一つのささやかな試みも兼ねている。前回に書いた、Middle tailの理論を試したいということである。

邦画セントラル http://www.hogacentral.com


アメリカでは、外国映画はほとんど締め出された状態にある。少し古いが、2001年にアメリカでの外国映画の劇場売上は1%以下だったという数字を見たことがある。今のところ、多くの日本映画は、日本で高いお金を出してDVDを買うか、ネットで不法入手でもするか、しか見る方法はない。(貸し日本ビデオ屋というのもあるが、これも限りなくグレー。)Long tail以下の状態である。しかし、これらはまさに、「プロが作った上質のコンテンツだが、ニッチ向けのため配信ができない」状態、つまりMiddle Tailのうってつけの候補なのだ。

私自身も、日本の映画というのは、好き嫌い以前に、見る機会も知る機会もなかった。ひょんなことから最近邦画を見るようになり、「けっこう、面白いのがいっぱいあるじゃん。」と思うようになった。映画のことなど、何も知らない全くのド素人である。

世間では「文化の違いがありすぎて、アメリカ人は(実写の)日本映画など見向きもしない」とされているが、本当にそうなのだろうか?アニメの「機動警察パトレイバー」がテレビで何度も放映されているのに、似たようなモチーフを使ったエンターテイメントである「交渉人真下正義」ではダメなのだろうか?少数ではあるが、「ラストサムライ」で日本の俳優や文化に興味を持って、日本の映画を漁り回っている人たちがいるのだが、この人たちは異常なのだろうか?人が宙を飛ぶ中国の武芸映画が、シネコンでも上映されるようになっているのに、それよりも日本の映画は「文化の違い」が大きすぎるのだろうか?

まぁ、素人の単純な疑問の数々である。ウェブの活動を通じて、このあたりの感覚を探ってみたい。当面は、そんな大袈裟なことではなく、日本の俳優や映画のことを知りたがっている友人達のために始めてみたようなものであるが、少しずつ育てていければ嬉しい。自信ができたら、真面目に携帯やブロードバンドに関する英語情報もそのうちやろうと思っている。

以上、「邦画セントラル」の開始宣言でした。ご興味のある方、のぞいてみてください。