透明度の高いネット・ICTはさらなる技術進化でしか実現できない

まさに、そのとおり。お気持ち、よくわかる。
勉強できる人しか便利に暮らせない社会 - シロクマの屑籠

技術を使いこなすことが、特定の人にしかできないというのは、まだまだ技術がこなれていない証拠。だいぶ以前の記事で恐縮だが、私はここで「オートマ車」を例にとって書いている。
「透明度」の高いネットの萌芽,Xbox LiveとKindle | 日経 xTECH(クロステック)

例えば、その昔のゴチャゴチャしたYahoo!の「ポータル」よりも、Googleミニマリストな検索が勝ったのは、Googleのほうが検索技術が上で、しかもより多くの人にとって使いやすかったから。その背景に「Big Data」があるというのは、先日の日経ビジネスオンライン記事に書いた。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20111007/223074/

今の「勉強できる人にしか使えない」技術をさらに人にやさしくするには、さらなる技術進化しかない、と私は思っている。というか、この業界に身を置くものとしての責任だと思っている。デジタル技術を否定することは解決にならない。ただでさえ日本は、老害な人々のおかげで、いろいろなデジタル技術の進化が阻害されて、この分野での国際競争力に翳りが出ている。ほんの数年前まで、日本の人は「アメリカって技術が遅れてるんですよね」と普通に思っていたようだが。
iConsumer Research McK 2011 | Online And Offline | Internet

マッキンゼーの別の文献に、別の部分で日本が欧米に大幅に遅れていると示している件は次回の日経ビジネスオンラインに書く。製造業による「従来型」の富の分配を守るため、伝統的な職を奪うデジタル技術による効率化を徹底的に嫌い続けて縮小するのか、敢えてデジタル化効率化による伝統的製造業的職の縮小を容認して次の時代の技術を自分で切り開いて新しいタイプの競争力を獲得するのか。

普通に考えたら、日本はもう前者の重みが重すぎて動けないという感じだけど、当業界でメシを食ってる者としては、デジタル技術の使い道として「パンとサーカス(食べ物情報・娯楽・ゲーム・アニメ・出会い系・・・=こういうモノは職を奪わないけどね)」だけでなく、後者の立場として、これだけ社会的な問題を解決できる、あなたの役にたつ、ということをきちんと示して、「こっちの水は甘いぞ」とちゃんと言えないといけないと思っている。引き続き、私なぞが何を言っても蟷螂の斧、ごまめの歯ぎしりではあることは承知の上である。