PostUpがEchofonを買収、日本人仲間の成功例!
TwitterクライアントのEchofonがPostUpに買収された、と今朝発表があった。
PostUp Acquires Echofon, Leading Twitter App on iPhone, iPad and Firefox | Business Wire
PostUp Buys Twitter And Facebook Application Developer EchoFon – TechCrunch
Echofonは、Twitterを使えるiPhoneアプリやFirefox extentionなどを提供しており、シリコンバレーの日本人仲間がやっている会社naanstudioのプロダクト。私は主にFirefox extentionで使っていて、私のTweetもvia Echofonと書いてあるものが多いはず。ハッシュタグやサーチなどの機能を使いたいときにはよっこらしょとTweetdeckを開くけれど、リアルタイムでTLを追っている普通の状態のときは、シンプルなEchofonのほうが使いやすい。GigaOmのTwitterアプリ・トップ5にもはいっているそうだ。一方、買った側のPostUpはIdeaLab系の会社で種々のTwitterクライアントを現在ロールアップ中である。大型IPOではないけれど、シリコンバレーで日常的に起こっているふつうの成功例、といった規模のお話である。
naanstudioは、ある意味で梅田望夫さんがJTPAという当地日本人テクノロジー専門家団体を立ち上げたときの目的の一つ(いくつかある)が実った例、ともいえる。シリコンバレーでは、中国人やインド人のコミュニティがあり、信頼できる仲間内でパートナーになったり専門的なアドバイスを受けたりすることで、お互いに助けあって起業しているが、日本人は数が少ない上に散らばっていてそういうことができていない、だからまずは集まってコミュニティをつくろう、ということを梅田さんは考えておられた。毎月セミナーをやったり、今度の3月にもコンファレンスをやったり*1など、活動を続けている。naanstudioの創業者、奥井さんと、パートナーの廣嶋さんはそんな中でいつもつるんでいる仲間であり、また会社の立ち上げや買収交渉などの事業開発面を担当したのは、かの渡辺千賀さんである。プロダクトの開発過程でも、仲間のエンジニア同士でお互いにツッコミあい、弁護士などの専門家も人的ネットワークの中でやっている。昨夜のexitパーティでは、JTPAの人たちがたくさん集まって祝杯をあげた。*2
その経緯は、特に「起業するぞ!」と意気込んでいたわけではなく、奥井さんが個人的な楽しみとして作っていたものが、だんだんと形になっていったということだそうだが、私が傍から見ていると、やはり「感度の高い人達が、自分のアンテナにひっかかったものに喜んで飛びついて、自分の手を動かして作る」ということのすごさを改めて感じる。彼らは何でも新しいモノが出てくると飛びついて試し、自分の感性で取捨選択する。みんな個性の強い人達なので皆意見が一致するわけではなく、いろいろな方向に向かって行くのだが、とにかく「真っ只中」にいて遠慮なく議論しているので、感覚がするどく、また自分の中での意見を形成できるのも早く、また千賀さんもブログで書いているように、考えたらすぐにつくり、状況を見てすぐに変更するというスピードは、自分でコードを書いていないとできない。Echofonにしても、iPhone向けTwitterクライアントとしては早い時期に出たことが成功につながっている。もし、今同じものを始めてももうダメだっただろう。
真っ只中にいる楽しみはこれである。