iPhoneが米国を「日本のケータイ」化?

今日は、大衆の殿堂ウォルマートが、iPhoneの販売を始めるというニュースが出ている。

iPhones coming to Wal-Mart; maybe for $99 – The Mercury News

脊髄反射は「アップル必死だな」だったけれど、ちょっと考えると確かに理にかなっている。なぜかというと、最近低所得層(中の中〜下、ぐらい)のユーザーにiPhoneが人気、との話があるからだ。

http://www.comscore.com/press/release.asp?press=2545

これによると、年収2.5〜5万ドルの世帯での売り上げ増加が一番大きい。低所得といっても、さすがに25000ドル以下の層ではそれほどでもないけれど。

iPhone 3Gは、音声もデータも契約しないといけないので、最低でも月額料金は70ドルぐらいになり、これに種々のサーチャージとか、アプリをダウンロードしたらその料金とかがつき、なんだかんだで100ドル近くなることも多い。ベーシックな携帯電話に比べると高い。しかし、固定電話も使わないし、ブロードバンド契約もしないし(もともとケーブルテレビも契約してないし)、なんたって何千ドルも出してパソコン買わなくていいし、電話もメールもYouTubeもこれ一つでおk、iPhoneでいいじゃん、となる。

しかも、想像するに、低所得層といっても、ヒップホップ系おにいさんとか、スペイン語得意系おねえさんとかだったら、ぜぇったい「クール」じゃないとダメ。その点でも、「低価格パソコン」よりもiPhoneのほうが、めちゃめちゃおk、なのだ。なんたって、家の中でパソコンやってたって誰にも見せびらかせないけど(つーか家の中でパソコンやるのは「クール」じゃないけど)、iPhoneならもって街に出てみんなに見せられる。

<おまけの話だが、またまたウチのギーク小学生息子の言。「iPhoneなんかの携帯タッチスクリーンを見たときの反応で、相手がギークかそうじゃないかを判別できる。『おー、すっげー、クール!』と反応したら、そいつはギークじゃない。本当のギークなら、『Oh, just another touch screen』て言うからね。」不肖母、爆笑いたしました。>

で、こういう人たちが行くお店といえばウォルマート。ということで、大変理にかなったマーケティングだ、と納得した次第。

そして、低所得という部分は関係ないが、「ケータイ一つで全部済ませる」文化といえば、日本のケータイ。というわけで、iPhoneが米国の携帯シーンを「日本ガラパゴスケータイ化」している、と、そこはかとなく感じている年の暮れである。