大人のメガネ

私のプロフ写真が、まさかコメ欄で話題になるなどと、考えてもみなかったので、ビックリしとります。賛否あるみたいですが、どちらにしても私ごときのことを気にかけてくださった方々に感謝します。

で、まぁわざわざ言うこともないかと思っていたのだけれど、話のネタに。このメガネは、いわゆるひとつの老眼鏡で、夏休みに日本で作ってきた。長年、メガネには縁がなかったのだが、老眼のつもりで今回検眼してみたら、乱視がかなりはいっているということがわかり、それに対応したメガネをかけたら、あーら不思議、本もディスプレイも楽々読めるようになった。

メガネ初心者の私は自信がなく、ついつい無難なデザインのものを選ぼうとしたら、一緒に来てくれたメガネ歴ウン十年の亭主が、「ダメダメ、あなたはこういうインパクトのあるのじゃないと」ということで選んでくれたのがこのメガネで、実は結構気に入っている。

滞在中の実家では、3歳の甥っ子がすぐ近くに住んでいて、よくやってくる。夕食のときに、私の母(=甥からみたら祖母)がビールをおいしそうに飲んでいるのを、彼は不思議そうに見て、「おばあちゃん、おとなになったの?」と聞いた。どうやらいつものコトらしく、母は「また来たか」とニヤッと笑いながら、「そうよ、おばあちゃん、ようやく大人になったから、ビール飲めるようになったのよ」と返事していた。

返す刀で、彼は真新しいメガネをかけて本を読んでいる私を見て、「ミチさん、どうしてメガネかけてるの?」ときた。甥っ子のママである義妹は「まずい!」と思ったらしく甥をたしなめようとしたが、私はすかさず「私も、ようやく大人になったの。これは大人になったらかけるメガネなんだよ。ほら、おばあちゃんもかけてるでしょ。」ということにした。そうか、「大人になる」という基準をどこに置くか、いろいろ決め方はあるよな、と思ってなんだか「目から鱗」みたいな気がしたのだ。以来、「大人メガネ」と呼ばれている。

前にも書いたけれど、少なくとも今のところ、私は歳をとることにあまり抵抗がない。体力や記憶力が落ちて、物理的に不便なことも出てくるけれど、その代わり、若い頃よりいろんな意味で「大人」になって、生き易くなっているし、それに抵抗したところで老いていくのを止めることはできないから、健康に気を配るぐらいはするけれど、それ以上に抵抗するために使うエネルギーが無駄だと思っている。世の中、年齢を詐称したり、無理やり若作りしたりといった、「少しでも若いこと至上主義」みたいなことが、特に女性の間で蔓延しているのに対して「へ!」と思っているので、ブログのプロフ写真はなるべく、今のナマの姿にしておきたい、時間を経て変化していく自分をそのままさらしていきたい、と思っている。(とはいえ、面倒がりなのでたまにしか更新しないけれど・・・)

なので、「老眼鏡をかけた自分の写真」をここに掲げていることは、自分なりの、ささやかな主張であります。そういうことで、しばらくどうかご容赦ください。