虎の尾には十分注意を・・・
私の過去の記事を言及してくださった、こちらのエントリー。
ここにも書いたように、私はしょせん「電話屋」なので、携帯オープン化に対する見方には限界があると自覚している。私の頭の中では、どうにも「オープン化」がコスト的に理解できない。だから、その立場だと思ってこの話は聞いてもらえばよい。
かねてから私がブログで言っているように、日本の携帯業界が「パラダイス鎖国」を抜け出す動きは歓迎すべきことだと思う。tatemuraさんが仰るように、今がチャンスかもしれない、と思ってとにかく動いてみること自体はよいと思っている。なんだかんだ言って、オープン化の動きそのものは、避けられないだろうとも思っている。
ただ、うるさいオバさんとして一言いっておくと、虎の尾には十分注意したほうがよい。
グーグル主導のオープン化の動きが、どこまで「業界の本質的な地殻変動」であるのか、それとも「グーグルvs.ベライゾン」の政治的かけひきの一つなのか、ということを十分見極めて動いたほうがよい。今のタイミングで、グーグルの口車に乗ってオープン化を掲げてアメリカに大々的に参入したら、ベライゾンやAT&Tから永遠にバツがつけられてしまうかもしれない。それでもしこの先、やっぱりダメだった、キャリア経由の流通に戻りたい、と言っても、もう戻れないかもしれない。アップルのように、自前のブランドと販売網を持って、キャリアを圧倒できるぐらいの力があればいいが、なにしろ、いざとなっても、この先ずっとキャリアには頼らない覚悟は必要である。
なにしろ、この森には、明らかに猛獣が棲んでいるのだ。けものみちに足を踏み入れたら、いきなり虎の尾を踏んで、虎に食われて終わりにならないよう、もし踏んだらどうやって防衛するか、準備してからやってみてほしい。