ギークの「イケメン化現象」

Marc Andreessen


ギークといえば、分厚いめがねをかけ、昼夜を分かたずパソコンやゲームに没頭するために運動不足で、ぽっちゃりかひょろひょろのどちらか、顔もどちらかというとブサイク、女性には縁がない、というのが少し前までの世の中一般のイメージだった。アメリカでも、テレビCMにこういう風体の男性が出てきて、パーティで女性に向かっておどおどと「あー、ぼく、ソフトウェア書いてるんだけど・・」と話しかける、みたいな使われ方をしちゃってるのが普通だった。

しかし、どうも最近、ちょっと違う。「ギークのイケメン化現象」が起こっているように思う。亭主に言わせると、流れが変わったのは、Netscapeのマーク・アンドリーセン(写真参照)からだといわれているそうだ。(ついつい、職業病で「え?その話、出典は?」と聞いたのだが、「そんなの覚えてない」と一蹴された・・・ちなみに、私の好みからいうと、それほどイケメンとは思わないんだけど・・・)最近のトップ・ギーク(技術系ギークに限らないが、いわゆるIT系企業のトップ)は、顔もけっこうよく、体型も見栄えのするような男性が多くなっているという。

最近の例では、なんといってもYouTube創業者のチャド・ハーレイだろう。(こちらの写真の右の人ね)北欧風の顔立ちのロックスター系。それから、Diggのケビン・ローズはかわいい系。(写真)といっても、Googleラリー・ペイジセルゲイ・ブリンあたりと共通のにおいがして、これも一種の伝統的ギークの顔かもしれない。それと、ワイヤレス系では、ちょっと年齢は上だがGood Technologyのダニー・シェイダーが思い浮かぶ。(写真)こちらは、オール・アメリカン系、とでも言っておこうか。

実は、日本人の間でも、同じ傾向がある、とずっと密かに思っていたのだが、こちらはあまりに身近な人が多いので、実名は挙げずにおきます・・(さぁ〜、誰でしょ??)

最近のテック・ポッドキャスト「TWiT」では、「いつからギークがロックスターになったんだ!?」「いやー、最近は女性が『I LOVE GEEK』ってTシャツ着てるんだよ」「ぎゃははは・・・」などと、少々年齢層が上の「伝統的」ギークたちが大笑いしていた。これはしかし、ある程度真実なのかも。少なくともシリコンバレーやシアトル界隈では、良質のギークをつかまえれば、うまくすれば起業して億万長者、そこまでいかなくても職には困らず給料も高い、ということで、ギークがモテる下地はある。

ただ、一般的に言って、アメリカのワイヤレス業界はここでも全体的に遅れていて、CTIAなどに行くと、昔ながらのギークがまだ多いように思う。だいたい、ネット業界みたいに、若くて元気のいいベンチャーがあまりないし・・(sigh...)