やっぱ、スティーブ・ジョブスかっこいい!

前にジョブスを礼賛するエントリーを書いたが、最近のVideo iPodと、これに関連するDisneyの記事を読み、当バレー近辺では超話題になった6月のスタンフォード大学卒業式のスピーチを思い出し、ますます「ジョブス萌え」になりつつある私。(げっ・・・)

前のブログエントリー「突破する力」

スティーブ・ジョブス スタンフォード卒業式スピーチ

ビデオiPodでディズニー系コンテンツを配信

この卒業式スピーチは、読みながら泣いてしまったほど感動的なのだが、Video iPodに関しては、このスピーチの中でわかる、彼の「塞翁が馬」というか、「フォレスト・ガンプ」というか、「わらしべ長者」というか、人生で出会ったできごとを一つ一つ大事にしておけば、その後思わぬ発展をするという生き方が、また実現したのかな、と思う。

(カンケイないが、そういえば、フォレスト・ガンプは、エビで儲けたお金をアップルに投資してたっけな・・・)

Disneyの話とは、D社傘下のテレビ局ABCの人気連続ドラマを、iTunes Music Store→Video iPodで販売するという件。"Desperate Housewives"が、テレビ放映の24時間後には、店頭で買えるというワケだ。ほんとは、ESPNのスポーツ・コンテンツもやりたいだろうな。でもこれはまた、別にいろいろとお金がかかる。それにしても。

うーむ。すごい。また、日本は先を越されたゾ。どーするんだ、え?ブロードバンド大国様?(あ、昔は家電大国でもあったナ、忘れてた・・・)

iPodの小さい画面で、テレビなんか見るもんか」という意見も聞く。別にいいじゃん、iPodに移さなくても、パソコンで見ればよい。私の机の上にあるパソコンの画面と、そのすぐ隣にあるテレビの画面は同じ大きさ。何の不便もない。

「音楽と違って、映像ソフトは一回しか見ないから、ダウンロード販売には適さない」というのは同感。でも$1.99なら、一回だけ見るために苦労して違法ダウンロードする手間を考えたら、あるいは番組や俳優のファンなら、あまり気にせず払うだろう。コピー配布しても、この値段じゃぁマージンが出ないので商売にはならない。無料配布の危険性はあるが、さっきの「苦労して違法・・・」の話にフィードバックする。

「TiVoで録画しておけばあとで見られる」という人もいる。それって、でもあらかじめ予約しておかなければならない。あとから、「あ、この番組面白い、前のエピソードも見たい」と思っても、もう遅い。

「日本では、携帯でテレビ見られるんだゾ」はい、確かに。アメリカでもだいぶ見られるようになってきた。でも、電池がすぐなくなるし、ダウンロードに時間がかかる。

ジョブスがピクサーを興したとき、将来アップルに戻ることも、そこでiPodiTMSを始めることも、当然知らなかった。そこで、ジョブスはディズニーと配給契約を結び、その後すったもんだを経て、今でもピクサーとディズニーは提携関係にある。つまり、「偶然にも」ジョブスはすでに、映像ビジネスの超インサイダーなのだ。テレビ番組の配信ビジネスというのは、広告収入モデルが崩壊しつつあるアメリカのテレビ局は当然皆考えている。でも、その「有料配信」の突破口は、人を引き抜いてメディア業界に誘惑かけまくっているYahooじゃなくて、超インサイダーのスティーブ・ジョブスだったというのが面白い。

彼には、やはり「突破する力」があるんだと思う。カネや技術だけでなく、突破するには「人の力」が必要なのだ。

「無料でBitTorrentされちゃうより、有料配信すべき、ってのはわかるんだけど、なんだかコワくてね〜。でも、まぁジョブスさん、あんたが大丈夫って言うなら・・・」っていうこと、ビジネスの世界ではよくあるんじゃないだろうか?

これって、ピクサーとディズニーの配給契約をめぐるスッタモンダの副産物かな?などと勘ぐったり。それにしても、「Video iPod」という家電の仮面をかぶったアップルの「Specialized Digital Entertainment Portal」戦略。

またもや、自らの強みを徹底的に生かしたアップル。北方の某M社の「メディア・センター」より、よっぽど消費者にわかりやすい。かっこいいぞ!キミはやっぱり、シリコンバレーの星だ!ガンバレ!

ちなみに、梅田さんも今日、別の視点から関連のあるお話を書いておられます。

http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20051028