ビジョン・セラピーその後-行く手に光明が
この話については、専用のカテゴリーを設けることにした。視覚発達障害に私が関わり始めた様子は、下記エントリーを参照。
読み書き障害と「目」-テレビばかり見てるとバカになるか? - Tech Mom from Silicon Valley
今日、精密検査があった。私は待合室で待っていただけで、結果は一週間後に出るのだが、本人曰く、複数行のテキストを横に読んでいく検査で、目が同じ行をたどって移動せず、途中からだんだんと下の行に移って行っている、と指摘されたそうだ。カメラで目の動きをとらえたものをコンピューターでその場で見せてくれたそうだ。
もしそれが本当なら、典型的な視覚発達障害で、これならセラピーで治る。孫が同じ症状だった、と教えてくれた方のそのお孫さんも、だんだんと下の行に目が移っていってしまう問題だったと言っていた。そして、セラピーで治ったそうだ。まだ正式の結果が出たわけではないが、なんだか行く先に光りが見えてきた。
「そうか、それならきっと、目のエクセサイズをすれば治るよ。本を読むのがきっと楽になるよ。」と本人に言ったところ、気のせいか今日はいつになく上機嫌で言うことをよく聞いた。いつもなら宿題の途中でぼーっとしている時間がやたら長いのだが、今日は(宿題が終わったら、友達とオンライン・ゲームをやる、というインセンティブがあったせいもあるが)なんと15分で終わらせた。寝る前には、弟に本を読んでやっていた。やはり、気にしていないようで、実は本人も出口のない思いで、つらかったに違いない。私以上に、光が見えたのだろう。なんとか、本当に治ってほしいものだ。
ところで、日本で視覚発達障害がどの程度認知されているのかはよくわからないが、ディスレクシアのことを調べていたときに読んだ本では、視覚障害も広義のディスレクシアの一部として扱っている。
怠けてなんかない! ディスレクシア~読む書く記憶するのが困難なLDの子どもたち
- 作者: 品川裕香
- 出版社/メーカー: 岩崎書店
- 発売日: 2003/10/29
- メディア: 単行本
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この本では、最後の章の「対策編」で大阪医大の例を挙げており、その中に視覚障害の話が数ページ出てくる。大阪医大しか、ビジョン・セラピーをやっているところがないのだとしたら、これはまた大変なことだが、きっと調べればまだあるだろう。
当地では、ディスレクシアと視覚障害は別物に扱われているようだ。今通っているビジョンセラピー専門医では、「視覚障害がディスレクシアやADHDと間違われることが多い」といった言い方をしているし、息子の1年のときの担任も2年の担任も、「彼はディスレクシアではない」とはっきり言い切っていた。
まぁ、定義はどうでもいいのだが、とにかく、ホンモノのディスレクシアやADHDよりも、視覚障害のほうがずっと治りやすいし、手法も確立している。我が家では、バイリンガルのせいで読み書きが遅れているのだろうと、2年生になるまで手を打たなかったが、もっと早く気が付けばよかった。学習障害のお子さんをかかえる親御さんは、なるべく早いうちに、ぜひ視覚障害の可能性も疑ってほしいと思う。