邦画セントラルのサイトとブログ中止のお知らせ

このところ、これまでに増して忙しくなり、体調までおかしくなってきたので、何かをやめざるを得なくなってきてしまいました。子育ても仕事もやめるわけにいかないので、半分趣味でやっていた、邦画の英語情報サイト・ブログの活動を中止することにしました。

単に仕事が忙しくなってきただけではありません。もうつまらなくなってしまったのです。詳しくは今日のHoga Newsブログ・エントリーに書きましたが、こういうことです。

英語で日本映画のことをブログなどに書いている方たちは、私のほかにもおられますが、皆さんもともと英語ネイティブであり、またなんらかの形で映画業界の仕事をしているプロです。私は、映画業界の仕事に食い込もうという気は当初から全くありませんでした。日本の映画業界は売上げ規模が小さく、その割りに華やかだし楽しいので、そこで仕事したい人はいくらでもいます。私のような半端者が、記事書きですら、プロとして食い込める余地はありません。

ではなぜ、お金にもならないサイトを2年前に始めたかというと、映画が趣味ということと、英語でブログを書く練習という意味もありましたが、まもなく、テレビ番組や映画の配信や、ビデオのクリエーションに、ネットが使われるようになるだろう、そうしたら面白いだろうと思ったからです。そして、そのときには、ニッチ・コンテンツである外国映画(含日本映画)もアメリカで、小さくても市場ができるのではないかと思ったからです。テレビ番組は、広告というもう一つのしがらみがあるために、海外販売はなかなか大変ですが、パッケージ売りのできる映画なら、配信と課金が整えば、すぐに商売になるかと思いました。

この予想は、おおかた当たり、過去2年にYouTubeiTunesのビデオ配信が始まり、ネット映像の世界は今大変革時代を迎えています。アメリカやイギリスなどでは、ニッチ・コンテンツを作るクリエーターが、ようやく自分たちの時代が来た、とエキサイトしています。中国やインドなどのアジア映画も、数多くこうしたニッチ配信サイトに登場しています。

でも、日本では何も起きていません。映画会社もテレビ会社も、相も変わらずYouTubeやまねきTVを犯罪者扱いし、国内ですら積極的なネット配信も始まらず、国内での邦画ブームによる「パラダイス鎖国」で、国際市場には興味がなく、海外にネットを使って広報や映画祭をするなどという気はさらさらありません。ファンの間でも、海外に日本映画のことを知らせるということに、興味を持ってくださる方はごくわずかです。何も起こらない日本に興味を持つ海外の人も少ないままです。私の書くことがが、業界の活動になんらかの影響を及ぼすとは初めから思っていませんが、他の各種のネットでのファン活動に比べても、これはあまりにも誰にもappreciateされていないと感じています。

少しでも、何かが動く方向が見えているならいいのですが、あまりにも何も起こらず、何も反応がないので、もういいや、と思うに至ったわけです。

当分、サイトもブログもそのままにしておきます。もし、何か面白いことが起こって、興味がまた湧けば、または仕事が暇になってあまりに退屈するようになれば、また始めるかもしれません。とりあえず、当面活動を中止いたします。今後も、慶応の英語ニュースレターと、テクノロジーの英語ブログには執筆を続けるつもりですが、フォーカスはもっと本業のテクノロジーと、アメリカでの面白いことにシフトしようと思っています。例えば、今週はサンフランシスコ国際映画祭がありますが、ここでは「国際ネット映画祭」の試みを取材しようと思っています。あ、もちろん、パラダイス鎖国の某国はカンケイないですがね。

これまで「邦画セントラル」サイトや「Hoga News」ブログを読んでくださった皆様、コメントをくださった方々、本当にありがとうございました。