CTIA-ITのレポートと、「アメリカでも若者のクルマ離れ」の話

昨日の日経ビジネスオンライン記事に続き、同じ展示会「CTIA-IT」を題材に、今度は携帯・無線業界からの見方でまとめた記事が、WirelessWire Newsに掲載されました。

http://wirelesswire.jp/Inside_Out/201010291430.html

さて、昨日の日経ビジネス記事にはTwitterでいろいろフィードバックをいただいたが、その中で、@gshibayama さんより、「アメリカでも若者のクルマ離れの統計が出てますよ」と情報をいただいた。これは面白い。


Is Digital Revolution Driving Decline in U.S. Car Culture? | Digital - Ad Age

アメリカのティーンや若年層の免許保持率が下がり、全体の「運転時間」の中で若年層が占める比率も年々下がっているとのこと。理由としては、異なる立場の人がそれぞれの意見を述べていて、「デジタル機器のほうが大切になり、クルマを運転しているとiPhoneやテキストメッセージがいじれない」「経済が悪くなって車が買えない」「高校や大学で生徒の車運転を規制している」など、いろいろ語られている。ただ、趨勢としては、ガソリン価格が高騰した2007年、リーマンショックの2008年あたりの動きと関係なく、長期にわたって同じ傾向がある。不動産でも、車でしか移動できない田舎のほうが価格下落が大きく、公共交通機関のある街中への回帰現象があるとの指摘もある。

背景となった「石油本位エコシステム」の崩壊が垣間見えるが、この話は長くなるので、今度どこかで。いずれにしても、「スマートフォン化する自動車」の話の背景には、アメリカでも「若者のクルマ離れ」があり、フォードがそれに対応しようとしている、という私の指摘をサポートする記事だったので、ご参考に。

カップルや仲間が集まって時間を共有するための乗り物が、物理的な「自動車」から、バーチャルな「フェースブック」や「ケータイ」になった。これは、アメリカでも日本でも同じ。背景にはさらに大きな社会の変動があり、これに逆らおうとしても無駄。自動車会社が「主」だった時代は終わり、「クルマ離れ」を現実として受け止めて、そのライフスタイルの中に「従」としてクルマを位置づける、というフォードのやり方は、唯一のやり方ではないかもしれないが、一つの正しい方法のように思う。