クラウドへの流れ-グーグルも他のひとたちも、ちゃんとやってると思うよ

確かに、最近当地のギークメディアでも、「グーグル独占」に対する警戒論が以前より多くなってきたように思う。それは、特にMS-Yahoo騒動後、検索広告で圧倒的強者となったグーグルに対する「バランス感覚」だと思っている。

グーグル「食べ放題」が縮小 - 風向き変化とバランス感覚 - Tech Mom from Silicon Valley

一方、アメリカのアナリストでも、「広告しか収入源がない」ということを問題にする向きもある。そして、日本でも下記のような記事が出る。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080908-OYT1T00127.htm

しかし、それに対して何もやっていないのではない、というバランスがこの記事には欠けているように思う。数年前から、「エリックのおうち」では、クラウドコンピューティング事業を着々と立ち上げている。下記のように、「Chrome」はその遠大な「グーグル変身計画」(というか「拡張計画」)のための一つの要素だと思う。

Chromeは「エリックのおうち」の玄関か - Tech Mom from Silicon Valley

グーグルだけではない。アマゾンも2006年から着々とクラウド系サービスを出していて、この面ではグーグルより一日の長がある。IBMも、HPも、シスコも、MSも、ベライゾンAT&Tも、次々とクラウドでの布石を打っている。まだまだ未熟な市場だからこそ、早い時期から経験を積み、他に先んじて足場を固めようと皆大騒ぎでやっている。

自慢しちゃうと、「次」の波としてのクラウドコンピューティングについては、私は2006年の秋にこんなことを書いている。
「Web2.0とクラウドコンピューティング」記事

また、最近ではこんなコラムも書いた。
欧米潮流@ネットワーク | 日経 xTECH(クロステック)

この種の大きな波がモノになるには、長い期間がかかるものだ。グーグルにしても、サービス自体やデータセンターはあるとしても、ちゃんとお金をいただけるレベルのサービスができるようになり、それを販売する企業向け営業部隊をつくり、サポート体制をつくり・・・というのには時間がかかる。だから、今の時点では全然「まだまだ」だけれど、だから「ダメ」ではない。

今のところ、クラウドの主要な顔ぶれはアメリカの企業ばかりで、日本の企業は対応が遅れているようだ。それにも増して、日本のマスメディアはクラウドの話はあまりわかっていないようなので、まー上記のような記事になるのは仕方ないのかな・・・