ジョージ・ルーカスの英断ブランド戦略 - 「スターウォーズ」公式マッシュアップ

パチパチパチ(拍手の音)!今朝のウォールストリート・ジャーナルを読んで、思わず拍手してしまった。

ハリウッドの強権著作権保護勢力のご本尊であるディズニーとは、以前からちょっと一線を画していたルーカスフィルム。記事によると、同社もスターウォーズのイメージや音楽を勝手に使って商売している人を訴訟しまくっていたとのことだが、YouTubeなどにアップロードされている、ファンが楽しみで作った非営利のマッシュアップに対しては以前から寛容だった。YouTube側が削除したものを、ルーカスのほうから復活を要求したこともあると聞いている。

今年は「スターウォーズ誕生30周年」を記念して、記念切手発行とか、いろいろ行事をやっているが、その一環として、ホンモノの映画クリップ(60秒程度)を何本か、ウェブサイトにアップロードして、ファンが好きなようにマッシュアップできるようにするという。

The clips -- about 250 of them, from all six Star Wars movies -- will land on the Starwars.com Web site tomorrow, part of this week's 30th-anniversary celebrations of the release of his hit movie. Working with an easy-to-use editing program from Eyespot Corp. of San Diego, fans can cut, add to and retool the clips. Then they can post their creations to blogs or social-networking sites like MySpace. More clips will come out from time to time over coming months.

Make-It-Yourself 'Star Wars' - WSJ
StarWars.com | The Official Star Wars Website

記事によると、これは「スターウォーズ」という一大ブランド・キャラクター群を、新作映画なしで維持する努力の一環、ということだ。ルーカスはすでに、「スターウォーズ」の劇場用映画はもう作らないと宣言している。(新作テレビ番組は来年あたり出る、との話も聞いたが)にもかかわらず、世代を超えて根強い人気を誇るこのブランドを、末永く(記事によると「この先30年」)維持してシツコク金づるにしようという魂胆だという。

このEyespotという会社が、編集ツールなども提供するとのことで、ポルノにしないなどの制限もこの会社のプラットフォームで提供する、ということだが、できたビデオはMySpaceとかYouTubeとか、いろいろなところにアップロードされるのだろうから、どうやってやるのかな??

ジョージ・ルーカスは、サンフランシスコ地域に拠点を持っている。市内ゴールデンゲート橋のすぐ近くには、美しい芝生とユーカリの大木におおわれた大きなスタジオがあり、ヨーダ銅像が建った噴水のある入り口までは行ったことがある。また、橋を渡ったマリン・カウンティには、ごく近しい関係者以外にはその場所も公開されていない、謎の「ルーカス牧場」もある。(こちらは映画制作に使っているかどうかは知らない)

そんな「ご当地」贔屓もあるのか、シリコンバレーギークたちは、ディズニーは徹底的にこき下ろすがルーカスには一目おく。今度の決断も、拍手喝采で迎えられるに違いないと思う。相変わらずディズニーの真似して強権保護主義を続ける日本のメディア(その背後には某芸能事務所?)も、ちょっとは爪の垢でも煎じて飲んだらどう?

 サンフランシスコ ルーカススタジオにあるヨーダの噴水